県内に進出したIT企業など約40人が参加した企業交流会=2月、佐賀市のマイクロソフトイノベーションセンター佐賀

 佐賀県内に進出する県外資本のIT関連企業が増えている。東京都に本社がある企業だけでもこの10年間で15社に上り、約730人の雇用を創出した。県が誘致に力を入れていることに加え、首都圏に比べて求人が少ない地方で優秀な人材を確保しようという企業のニーズが高まっていることが背景にある。近年は雇用形態も変化し、パートなどの非正規社員中心から正社員に切り替わってきている。

 IT企業は場所を選ばずに仕事ができるという特性がある。このため県は4年前から、地方への進出を検討する都内のIT企業リストを策定。県内に事業所がある大企業を除き、独自の技術やサービスで成長が見込まれる中小・ベンチャー企業に絞り込んでいる。

 大企業の下請けではなく、景気に左右されにくい企業がどうかも見極める。雇用の安定を重視しているためで、勤勉な県民性、九州各県へのアクセスの良さ、災害の少なさなどを企業にアピールしている。

 オフィスの賃料の半額を3年間補助するなど企業への支援策も打ち出す。IT産業の集積で先進県とされる徳島県に学び、16年から年3回、地元企業や大学、専門学校との交流会を開いて人材育成や仕事の受発注にもつなげている。

 県企業立地課によると、IT企業の地元雇用は4年ほど前まで電話応対などの非正規社員が中心だった。近年は人手不足が深刻化し、システムエンジニアやウェブサイト制作といった正社員の採用が増え、首都圏に近い賃金水準で進出する企業もある。

 県内進出に意欲的な企業が増えている要因について、同課は「人材流動が激しい業界にあって佐賀県民はまじめで転職をせず、仕事熱心と評価されているところがある」と分析する。雇用形態が多様化してビジネスの幅も広がっており、「県外在住者のUターンにも力を入れたい」と話す。

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