バレーボール成年女子決勝・佐賀-埼玉 第1セット、スパイクを放つ久光製薬スプリングスの今村優香=愛媛県の伊方スポーツセンター

 歓喜に沸く応援団を前に、選手たちの目にうれし涙が光った。決勝に臨んだバレーボール成年女子の久光製薬スプリングスが、同じプレミアリーグの上尾メディックス(埼玉県)にセットカウント0―2から鮮やかな逆転勝ち。5年ぶりに女王に返り咲いた。

 昨年の決勝で苦杯を喫した相手に、立ち上がりから苦しめられた。サーブレシーブがセッターに返らず攻撃が単調に。サーブミスも重なり、第2セットは15点しか奪えなかった。チームは国体を若手育成の場として新鍋理沙や石井優希ら主力6人を温存。流れを一気に変える絶対的選手はおらず、敗戦濃厚といった重苦しい雰囲気が漂った。

 ただ、酒井新悟監督は諦めていなかった。2セットを落としても「勝負はここから。流れは引き戻せる」。選手とともに歩む指揮官には「本来の力を出し切っていない」という確信があった。

 チームは今夏、佐賀県内各地で合宿を実施。若手中心の選手たちは必死に厳しい練習を乗り越えた。リーグ戦と違い、トーナメントの国体は初戦から決勝まで4日連戦。試合後半、疲れの見え始めた相手に対し、久光の選手たちには十分に余力が残っていた。

 優勝を決め、大粒の涙を流した栄絵里香主将は「夏合宿で佐賀のみなさんには、家族のように助けてもらった」と感謝し、「優勝という結果で恩返しができてよかった」とはにかんだ。

 2週間後に開幕するプレミアリーグに向け、「これを自信にもっと上を目指そう」と酒井監督。若手が育ち、2年ぶりのリーグ王座奪還を目指すチームには最高の前哨戦となった。

 ▽成年女子決勝

佐賀(久光製薬) 3―2 埼玉(上尾メディックス)

(佐賀は5年ぶり3度目の優勝)

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