4選が決まり、佐賀新聞のインタビューに応じる秀島敏行氏=8日夜、佐賀市本庄町の事務所

 任期満了に伴う佐賀市長選が告示された8日、現職の秀島敏行氏(75)が無投票当選となった。佐賀新聞社は告示前に立候補予定者に対し、市政課題への取り組みや人となりについて尋ねる50問アンケートを実施していた。秀島氏の回答を紹介する。

 

■原発徐々に減らすべき

 

1、佐賀市の災害対策で、最重要と考えている災害は何ですか。どんな対策をとりますか。

 ゲリラ豪雨をはじめとする大雨による水害への対応が最も重要と考えます。対策としては、河川、水路の整備やポンプ場の設置などといったハード整備のほか、クリークを一時的な貯水池として活用する市民一体となった取り組み(樋門、ポンプの操作の最適化)が一定の成果を収めてきており、今後さらに、その精度を上げていきたいと思っております。

 

2、熊本地震で得た教訓はなんですか。

 地震に対しては、絶対安全な場所はないということです。このため、日頃から、特に避難等地震後の迅速な対応など突然の地震に対する備えを十分にしておく必要があると思っています。

 

3、原発に対する考え方を教えてください。

 原発のリスクについては、福島第1原子力発電所の事故が十分に物語っています。一方で、日本は資源の乏しい国であるため、電気の安定供給のためには、現状では原子力発電を容認せざるを得ないと考えています。将来的には、自然エネルギーの比重を拡大するなど、多様化をさらに進め、原子力発電への依存を徐々に減らしていくべきであると思います。

 

4、市政だけで解決できない課題もあります。国に改善を求めたい問題で真っ先に浮かぶものは?

 工業団地の開発にあたり、国の農地制度の壁に大変苦しめられました。地方創生を進める上で、雇用の場は必須であり、そのための工業団地の開発は絶対必要なものであることから、自治体による農地の活用については、制度の改善をぜひともお願いしたいと思います。

 

5、LGBT(性的少数者)が住みやすい街にするため市長として取り組むことは。

 啓発が一番大切だと思います。発達障がい児も同様ですが、個性の一つとしてとらえることで、共存ができていくのではないかと思います。

 

6、保育園の待機児童問題が深刻です。どうやって改善しますか。

 地域の活性化の視点からも女性の就労支援は重要であり、そのためにも待機児童ゼロは何としても達成しなくてはならないと思っています。具体的には、この4年間で1.6倍に拡大してきた保育施設の定員をさらに大きく増やし、それに必要な保育士についても、しっかりと確保していきます。

 

7、高齢者が安心して住める街にするためにどんなことに取り組みますか。

 超高齢化に向けて、移動手段と地域コミュニティーの充実が重要であると考えます。そのため公共交通機関の整備とコミュニティーの担い手である地域のまちづくり協議会を支援していきたいと思っています。また、全国から注目を集めている「高齢者見守りネットワーク事業」(登録者が1000社超)にもさらに力を入れていきます。

 

8、市役所に女性部長がいないことをどうとらえますか。

 過去に何度か該当者が現れましたが、特に家庭環境の問題(親の介護など)で実現していません。優秀な女性職員は大勢います。家庭の問題など社会環境が許せばと思っています。

 

9、県外在住の家族連れが佐賀市を観光。どの時期に何を見るのがいいでしょうか。

 小さな子ども連れであれば、バルーン大会とバルーンミュージアムですが、来年は3月から10カ月間「維新博」が開かれますので、佐賀の歴史を楽しんでいただくのもお勧めです。他に、三重津の世界遺産、有明海の干潟と渡り鳥、春と秋のどんぐり村に古湯・熊の川温泉などお泊まり観光も充実しています。

 

10、九州新幹線長崎ルートの開業が控えています。佐賀駅で下車してもらうためにどう口説く?

 「駅から車で40分走ると山にも海にも行けますし、30分歩くと美しい佐賀城のお堀と歴史を感じる場所がたくさんあります。豊かな自然が生み出す食材を使った美味しい料理も食べて、2、3時間あれば、佐賀市の観光が可能です。ちょっと降りてみませんか?」

 

■中心市街地の耐震化を

 

11、佐賀駅で下車した家族連れにシシリアンライスを勧める場合、どんな言葉で伝えますか。

 「佐賀市の名物料理です。肉と野菜とご飯をマヨネーズでつないだヘルシーな食べ物ですが、あなたの予想を確実に裏切ってくれる、とってもおいしい料理です。ここでしか食べられません。ぜひ食べていってください」

 

12、観光客に中心商店街へ寄ってもらうために、どんな言葉をかけますか。

 「佐賀市の中心商店街は、郊外の店や大型店にはない佐賀市らしさを感じてもらえる商店街です。佐賀市独自の文化と風情と街並みを楽しんでください」

 

13、中心商店街の活性化に行政としてどんなことを手伝いますか。

 市長に就任して以来、中心市街地の活性化には優先的に取り組んできました。減少傾向が続いていた歩行者通行量もようやく回復を見せ始めたところです。引き続きソフト事業によって街なかへの集客を増やすとともに、中央大通りの老朽建物への対応を行う必要があると思っています。

 

14、中心市街地には、耐震や老朽化の問題を抱えた民間施設も多い。市としてどう取り組みますか。

 中央大通りは中心市街地を貫く通りというだけでなく、大規模な地震の際の中心部における避難路としても重要であります。これらの点を考慮に入れて、建物の耐震化等に取り組む必要があります。

 

15、JR佐賀駅周辺整備が進んでいます。どのような駅周辺に整備したいですか。

 名実ともに佐賀市の中心地にふさわしい、佐賀市を象徴するような場所、佐賀駅に降り立った人が、最初に佐賀を感じてもらえるような場所にしたいと思っています。

 

16、一人旅で初めて佐賀市を訪れた学生にお薦めスポットを教えてください。

 佐賀市の魅力は「豊かな自然」「歴史」そして「人」特に女性です。自然や歴史を満喫しながら、いろんな人に会って来てください。例えば、古湯温泉の女将(おかみ)さんたち、柳町界隈の肥前通仙亭や福田家の皆さんに会ってパワーをもらってきてください。生きている「人」ではありませんが、恵比須巡りも佐賀らしいスポットです。

 

17、「見えない世界遺産」とも言われる三重津海軍所跡。どんな言葉でアピールしますか。

 「本当に大切なものは、なかなか見えないものです。まずは現地に行って、その場に立って、目を閉じて、心の目で世界遺産を見てください。そのために必要な道具は、いろいろとご用意しています」

 

18、合併した旧郡部の活性化のために何をしますか。

 町の活性化に必要なことは、人が住むことであり、そのために必要なことは産業が活性化していることです。そこで、それぞれの地域特性に応じた産業の振興を支援していきたいと思います。例えば北部地域では、農業、林業に加え、観光が大きな産業になりますし、南部地域は、農業、水産業に加え、観光も重要です。

 

19、支所再編で市民から不便になったとの声も。現状をどう評価していますか。

 おおむね順調であると思っています。中には以前よりサービスが低下したといわれる部分があるかもしれませんが、全体としては低下分を上回るサービス向上が図られていると感じております。最も大切な災害対応はぬかりなくできています。今後とも市民の皆さんの声に耳を傾けながら、随時調整は図っていきたいと思っています。

 

20、市営バスの活性化策を教えてください。

 利用者ニーズに合った路線の編成を図ることと、広報に力を入れることによって、市営バスが便利になることが利用者を増やすことにつながり、収益の改善を図ることにつながるという好循環を生むと考えています。ニモカの導入で若い人の利用が進んでくれればと思っています。

 

■3期12年間の施策発展

 

21、佐賀市が誇るバルーン大会の魅力をひと言で教えてください。息の長い大会にするため必要なことは何でしょうか。

 佐賀市のバルーン大会は、競技に参加する人、大会を運営する人、大会を見に来る人、そしてそれらを支える行政が一体となって大会をつくり上げてきたことが特徴であり魅力でもあります。今後さらに、息の長い大会につなげるためには、大会役員等の世代交代が必要だと思います。

 

22、雇用創出が課題となっています。雇用増のためどんな政策を考えていますか?

 新しい工業団地の開発とマイクロソフト・イノベーション・センターの活用によって企業誘致を進めます。また、インキュベートルームなどの活用でベンチャー企業の創出を支援します。さらに今後は事業承継を支援することによって雇用の場が消失することを防ぐための支援も行います。

 

23、地球環境の現状に対し、どのような認識を持っていますか。

 ゲリラ豪雨に代表される異常気象に対し、危機感を感じています。地方の小さな都市である私たちでも、低炭素社会に向けて、少しずつでも、今できることに取り組んでいく必要があると思います。

 

24、佐賀市が取り組むバイオマス事業は、このまま推進するべきと考えますか。理由も教えてください。

 佐賀市のバイオマス事業は、ゴミや下水といった人の生活から出る廃棄物をエネルギーや資源として再利用する取り組みであり、環境問題の視点からも、産業振興と雇用拡大の視点からも推進すべきと考えます。

 

25、合併後、どういうときに地域融和が進んだと感じますか。

 豪雨の際の排水対策において、北部の山間地から南部の有明海沿岸地域まで市民みんなの協力で浸水被害の低減が図られていることや、水産振興のため漁業者が山で植林をする活動などです。

 

26、有明海再生に必要なことは何だと考えますか。

 有明海の環境問題が海苔(のり)をはじめとする漁業者だけの問題ではなく、私たち市民が、自分たちの生活や農業をはじめとする産業で使った水が、すべて有明海に放流されているのだという事実を認識し、すべての市民の問題として捉える必要があると思います。

 

27、佐賀空港へのオスプレイ配備、自衛隊利用の計画に対して賛成ですか、反対ですか。その理由も教えてください。

 個人的な賛成、反対の意思表示を行う問題ではないと考えています。かねてから述べているように、私は佐賀空港が整備された際の「立会人」という立場から、当時交わされた「協定」の整理をまずお願いするという立場に変わりはありません。

 

28、配備計画は、地域を二分する問題となっています。諾否の結論が出た後、地域融和のため市長としてどんな行動をとりますか。

 先述の「協定」について整理が行われたとは考えていないため、まだ地域を二分する問題となっているという認識は持っていません。今後この問題が動き出す時が来ても、私は、あくまでも中立の立場で市民の皆さんのご意見に耳を傾け、市民の一体感に向けて調整を行いたいと考えています。

 

29、議会はどんな存在ですか。

 議会は、われわれ行政のチェック機関であると同時に、一緒に汗をかき、知恵を出し合って市民の皆さんのために働く機関でもあると思っています。

 

30、議員定数36は適切だと思いますか。

 私が答えることではないと思いますが、現状に問題は感じていません。

 

31、当選後、真っ先に取り組みたい事業を教えてください。

 現職ですので、あくまでも過去12年を踏まえてそれを発展させていくというつもりでいます。これからの1期4年間で、さらに市民の皆さんの幸福感向上に貢献できるよう、新たな気持ちで仕事とそのための体制の整備に取り組みたいと思います。

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