三養基郡基山町は4歳児を対象に、発達状況を把握する特性検査を始める。保護者や関係機関が子どもの得意、不得意を早期に把握することで、幼稚園や保育園の通園中に支援を進める。就学を円滑にし、小学校入学直後の児童が学校に適応できない「小1プロブレム」の解消を目指す。

 町が取り組む子育て支援の一環で、本年度の対象は約160人。「新版K式発達検査2001」という検査法を用いて、「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3領域の特性を調べる。内容は「話を聞いて行動に移せるか」「数の概念を理解しているか」など多岐にわたる。

 民間の臨床心理士と社会福祉士、町保健師が町内六つの保育園、幼稚園に出向いて行動を観察するほか、個別面談も行う。行動観察は近く始め、個別面談は保護者への説明会を年明けにも開き、同意を得た上で実施する。事業費は98万円。

 県障害福祉課によると、県内では2005年度から「自閉症児等スクリーニング」が1歳半と3歳時の検診で始まり、09年度以降は全市町で実施している。基山町と同様の特性検査は「他市町では把握していない」という。

 松田一也町長は「早期に子どもの特性を把握すれば、サポートにより長い時間をかけられる。基山モデルを確立し、全ての子どもに優しい町であり続けたい」と話す。

 佐賀大教育学部の石山貴章教授(障害児心理)は京都や滋賀の先進地を例示し「この検査法は子どもの発達・成長について、他の子と比べるのが目的ではなく、平均とどれくらいのずれや遅れがあるか客観的評価を得ることができる。子育てへの不安が高まる中、自治体が取り組むことで人口増にもつながる」と評価する。

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