山口仁司さん(中央)の指導を受けながら作業に取り組む研修生の齊藤義和さん(左)、圭子さん夫妻=武雄市朝日町のトレーニングファーム

話し合いながら作業に取り組む研修生の西寛隆さん(左)と植松拓也さん=武雄市朝日町のトレーニングファーム

 ■「もうかる農業」目指しキュウリ農家へ

 

 新たな農業の担い手を育成するための研修施設「トレーニングファーム」が、武雄市朝日町に完成した。JAさがみどり地区でキュウリ農家を目指す1期生3組4人が地域に根付き、最先端の設備を備えた施設で2年間、栽培技術や農業経営のノウハウを学ぶ。

 

 研修生は愛知県から移住した武雄市の齊藤義和さん(34)、圭子さん(35)夫妻と、嬉野市塩田町の植松拓也さん(22)、西寛隆さん(36)。7月から2カ所に分かれ、生産農家のハウスで研修を受けていた。

 県やJAさが、関係市町などでつくる推進協議会が運営する施設で、土地面積は6078平方メートル。研修ハウスは3棟で2912平方メートルあり、温度や湿度、陽光を管理できる環境制御設備が整う。元佐城農業改良普及センター所長の西田昭義さん(66)や、キュウリ農家で県農業士の山口仁司さん(66)らが講師を務め、生産部会もサポートする。

 5日に落成式があり、関係者約70人が完成を祝った。4人は4日早朝から定植や誘引ひもを結ぶ作業に取り組み、キュウリ農家としての第一歩を踏み出した。

 元エンジニアの齊藤さんは情報通信技術(ICT)を取り入れた栽培方法の習得に力を入れる。「期待と不安で半々。これだけの施設で試行錯誤できるというメリットを生かしたい」。講師の山口さんは「意欲があり、自分で進んで作業する。将来の目的があるし、心持ちも違う」と話す。

 機械操作や消毒技術を学びたいという植松さんは、「稼げる農家になりたい」ときっぱり。西さんはもともと大工をしながらコメ、麦、大豆を育てる兼業農家で、キュウリに可能性を感じて転身を決意した。4人の子供を育てる父親として「次につなげるような農業を目指したい」と決意を語った。

 県は研修生が地域に定着し、いずれは指導する側に回って産地を築く好循環を期待する。講師の西田さんは「地域人口が減る中、農業を産業として育てるにはこういう施設が必要。3組には大成して“もうける農業”を実践してもらえたら」と話す。

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