「幕末佐賀藩」をテーマに講演する県立佐賀城本丸歴史館の浦川和也課長=鳥栖市の九州シンクロトロン光研究センター

「幕末佐賀藩」をテーマに講演する県立佐賀城本丸歴史館の浦川和也課長=鳥栖市の九州シンクロトロン光研究センター

来年3月から開かれる「肥前さが幕末維新博覧会」のプレイベントとして9月30日、鳥栖市で歴史講座があった。県立佐賀城本丸歴史館の浦川和也課長が「鍋島直正と幕末佐賀藩」のテーマで講演、「幕末佐賀藩の科学技術はトップクラスではなく『トップ』だった」と強調した。

 浦川さんは、日本の近代化をけん引したと思われている薩摩藩が実は、佐賀藩に2年遅れて鉄製大砲 鋳造プロジェクトに着手し失敗が続いたことを説明。直正同様に幕末の名君として知られる、藩主の島津斉彬(なりあきら)がそのとき、「西洋人モ人ナリ、佐賀人モ人ナリ…」と技術者たちを叱咤(しった)激励した言葉を紹介し、「佐賀藩こそがトップだった証し」と説明した。

 さらに英国で始まった産業革命の産み出したものは鉄製大砲と蒸気船だが、佐賀藩は国産初の鉄製大砲と国産初の実用蒸気船「凌風(りょうふう)丸」を完成させており、「日本の産業革命は佐賀から始まった」と訴えた。

 講演を聴き終えて藤瀬禎博(よしひろ)・鳥栖郷土研究会長(70)は「佐賀藩については詳しくなかったが、直正が名君であったことはよく分かった。来年の維新博では、それを可能にした佐賀の歴史的な背景まで見せてほしい」と期待を寄せていた。

 県の九州シンクロトロン光研究センターが施設の一般公開に合わせて、明治維新150年特別企画として開いた。

このエントリーをはてなブックマークに追加