3人に1人ががんで亡くなる時代になった今、「いかに早くがんを見つけて治療するかが鍵。それを可能にするのは検診しかない」と、定期的な健康診断やがん検診の重要性を呼びかける、福岡病院の福岡英信理事長兼院長。同院は、PET‐CTや大腸CTCなど最新の機器を備え、効果的に全身を調べる健康診断やがん検診を実施しています。あらためて、検診の大切さについて聞きました。

■がんは治る大きさのうちに見つける

PET-CTで見つかった膵頭部がん

 日本人の死亡原因第1位であるがんが怖いのは、初期は症状が出てこないという点です。だからこそ症状が出る前に早期発見・早期治療することが大切で、がんをごく小さいうちに見つければ、転移を防ぎ治すことができます。治療できるがんなら、肉体的、精神的負担はもちろん、抗がん剤などの治療にかかる経済的負担も少なく済みますし、何より命を守ることができます。これを可能にするのは、定期的な健康診断やがん検診しかありません。

■定期的に検診を受けよう

 国の政策も進み、現在、50人以上の労働者がいる事業者は、健康診断の報告が義務付けられています。ただ、一人ひとりの意識はまだ決して高いとはいえず、「義務だから受けている」という人や、受けただけで安心し、結果を見ない人も少なくありません。せっかく出た結果を生かさない手はありません。異常が見つかったら早く治療できる好機ととらえ、次の検査や治療を速やかに受けましょう。

 また、少人数の事業所や自営業、主婦、無職の人たちの受診率がなかなか上がらない状況ですが、症状が進んだ時の高額な治療費や命の危機を考えれば、定期的に検診を受ける価値は明白です。

■全身受けることが大事

大腸がんPET‐CT画像(左)と大腸CTC画像(右)

 がんは、いつ、体のどこにできるか分かりません。「胃がん家系だから胃がん検診だけでいい」などと自己判断せずに、検診では全身を総合的にチェックしてください。当院では最新機器を使い、精密に全身を検査する検診プランを勧めています。

 有用なのがPET-CTによるがん検診。約2時間で全身のがんを一度にチェックし、約6ミリのごく初期のがんも発見できます。がん細胞がブドウ糖を多く取り込む特徴を生かした検査で、ブドウ糖に似た薬剤(FDG)を注入して、がん細胞にFDGが集まって光を発生する様子を撮影し、病変の性質などがんの詳細な情報をとらえます。早期の胃がんなど発見の苦手ながんもありますが、超音波やMRI検査などを併せて行い、発見の精度を上げています。

 また、できるだけ楽に検査が受けられるような機器も充実してきました。近年増加傾向にある大腸がんの検査は、内視鏡検査の恥ずかしさや痛みなどで敬遠する人もいますが、当院で行う大腸CTC検査は内視鏡を使わずに約15分でできます。炭酸ガスで腸を膨らませ、体の外からCT撮影をして診断し、見つけにくい大腸がんの早期発見につながっています。

■“転ばぬ先”の骨粗しょう症検査

 超高齢化時代の今、健康寿命を長く保つためには骨粗しょう症のチェックも大切です。骨がスカスカになって転倒したり骨折しやすくなり、それが原因で寝たきりになることもあります。がんと同じように痛みがないまま進行するため、日ごろの検査が予防策です。当院の「骨粗しょう症外来」では、約5分で検査できるX線検査「DXA(デキサ)法」と血液検査を組み合わせて正確に全身の骨密度を測ります。早く発見できれば、リハビリや骨密度を上げる薬、骨形成を早める薬の投薬治療で治すことができます。

 検診に勝る予防策はありません。「自分の命は自分で守る」意識を持ち、年に1度は受けるようにしましょう。

【Memo】気になる部位を網羅する多彩な健診メニュー

 当院の、全身PET‐CT検査やMRI、エコー検査などを総合的に行う「総合健診ドック」は、女性の乳がん検査や子宮頸がん検査まで含まれます。このコース以外にも大腸CTC検査、骨密度検査、肝臓の硬さを測る「フィビロスキャン」、下肢静脈エコー検査などのメニューも充実。巡回健診車で事業所健診も行っていますのでご相談ください。

医療法人 福翔会 福岡病院

 

理事長 兼 院長

福岡 英信

ふくおか ひでのぶ 日本核医学会・内科医学会・抗加齢医学会・腫瘍学会・放射線腫瘍学会所属。PET核医学認定医。

 

 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加