涼しくなって、そろそろ衣替えである。季節に応じて服装を変えるのは、平安時代、物忌みの日に行う祓(はら)えの行事として宮中で始まった「更衣(こうい)」に由来する。年中行事として旧暦で4月1日と10月1日に、それぞれ夏装束と冬装束を整えていた◆民間には「衣更(ころもがえ)」として広まり、江戸の頃は、衣替えの回数が年2回から4回に。役人や軍人が制服を着る明治になると、今と同じ6月1日と10月1日が定着した。夏服をしまうこの時期は、クリーニングに出す人が増えてくる◆9月29日の「クリーニングの日」を前に、業界が気になる調査結果を出した。全国の約9割の店に、洗濯済みの品が引き取り手がないまま長期に放置されているという。中には25年以上も経過しているものも。驚いてしまうが、忘れられていたり、引っ越しで来られなかったりの事情が考えられる◆店の方は大弱りだ。200点以上の店もあり、保管スペースの確保が悩みのタネ。客との連絡がとれず、今の法律では店側が一方的に処分できない。業界では、一定の保管期間を過ぎた場合のルールづくりを国に求めていくそうだ◆クールビズともお別れのこれから、手持ちの服のチェックや不要なものを整理するチャンスとなる。ファッションを切り替えることで気持ちも新鮮に―。大切にしたい、この国の四季である。(章)

このエントリーをはてなブックマークに追加