エンジェルストリート20周年を祝うイベント。約500人が詰め掛け、にぎわった=佐賀市呉服元町の656広場

■公共施設にぎわい創出 波及効果まだ不透明

 9月20日夜、佐賀市呉服元町の656広場。普段は静かな商店街に陽気な音楽が鳴り響いた。佐賀玉屋前から旧呉服町アーケードまで約300メートルにわたる市道「エンジェルストリート」の完成20周年を祝うイベントに約500人が詰め掛けた。主催した中央本町商業振興会の山内哲朗会長(69)は「もう一回、地元商店街を盛り上げたい。これを機にいろんなイベントを考えていきたい」と一過性に終わらせない決意を語る。

 ■起爆剤

 昨年10月、玉屋そばの松原2丁目にオープンした「佐賀バルーンミュージアム」。活性化の起爆剤にしようと市が約18億円投じた。巨額のハコモノ事業に疑問の声もあるが、市は「バルーン文化の発信や周辺地域への経済波及効果が目的」と理解を求める。

 バルーンの疑似体験などができる有料エリアと展示観覧の無料エリアを合わせた来館者数は6月に累計10万人を突破。有料エリアだけでも7月、5万人に上り、1年間での目標を既に達成した。それでも、「人通りが増えた実感はない」と近くの商店主(70)。「バルーンミュージアムだけで人の流れが完結していて、周辺に足を伸ばす仕組みがない」と指摘し、波及効果には懐疑的だ。

 中心街に人は来ているのか。佐賀商工会議所が昨年7月に実施した中心市街地の通行量調査によると、4日間の合計は約7万2千人。ここ数年人通りは横ばいで、2009年の5万8千人を底に増減を繰り返しながら回復しつつある。

 復調の兆しは他にも見え始めた。7月1日時点の基準地価で佐賀市の商業地の変動率は25年ぶりにプラスに転じた。中心市街地の空き店舗率も6月で17・43%と、「街なか再生計画」を作った7年前から5ポイント近く下がった。市商業振興課は「郊外に大型商業施設進出が相次ぎ、一時はゴーストタウンのようだった。雰囲気は明るくなってきている」と手応えを感じている。

 ■4核構想

 市の街なか再生計画は、「エスプラッツ」「佐賀玉屋」「佐嘉神社・徴古館」「呉服元町・柳町」を四つの核と位置付け、人が行き交う仕掛けをつくる狙い。ハローワークや佐賀商工ビルなど公共施設を呼び込み、昼間人口増につなげる。

 順調に見えつつも、ビルの老朽化対策が大きな壁として立ちはだかる。

 4核の一角を担う佐賀玉屋は耐震補強の必要性が指摘され、改修を余儀なくされている。多額の費用を要することもあり、同社の田中丸雅夫社長は「耐震化は設計段階。結果を見てから判断したい」と述べるにとどめる。隣接する松尾建設本店も来春、多布施に移転、跡地利用は未定だ。

 公共施設の集中化でにぎわい創出を進める一方、老舗企業の移転などによる空洞化の懸念がくすぶる。

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