辰野金吾らを輩出した耐恒寮をテーマにしたシンポジウム=唐津市文化体育館文化ホール

 「肥前さが幕末維新博覧会」のプレイベントとなるリレーシンポジウムが1日、唐津市で始まった。建築家の辰野金吾ら日本や唐津の近代化に貢献した人材を生んだ唐津藩英学校「耐恒寮」をテーマに、後に首相になる英語教師の高橋是清が若者に与えた影響を探った。

 会場の唐津市文化体育館には約300人が詰め掛けた。是清の生涯を描いた著書がある作家幸田真音さんは「頭はざん切りで、フロックコートを着て、刀は差してない。(米国滞在歴がある)是清の存在そのものが海外だった」と赴任時の様子を述べ、1年3カ月の短い滞在でもたらしたインパクトを紹介した。

 幸田さんはさらに「英語を教えたが、外国人とのコミュニケーションや交渉の仕方も強調して教えていた」と解説した。建築史に詳しい清水重敦・京都工芸繊維大教授も呼応するように「辰野の欧州留学の日記はすべて英語。でも、話すときは日本語の発音だったようで、それでも物おじせずにどんどん話していた。これこそ是清の教育だったと思う」と逸話を披露した。

 ともに耐恒寮出身の辰野と曽禰達蔵の2人の建築家の対称性、文化財の活用法、若者を育てる大人の役割にも話題が及んだ。

 宮島清一唐津商工会議所会頭、山崎信二唐津観光協会会長も登壇し、佐賀新聞唐津支社の吉木正彦支社長がコーディネーターを務めた。

 シンポは全4回で、次回は22日に鳥栖市のサンメッセ鳥栖で「交通・物流の結節点」をテーマに開く。

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