常任委員会で、「希望の党」代表の小池都知事が写った紙を持って合流の経緯を説明する原口一博氏(中央)と大串博志氏(右)=9月29日、佐賀市鍋島の民進党県連事務所

■公約言えない、準備できない

 

 衆院解散直後に民進党が新党「希望の党」への合流を決めたものの、希望側が民進出身者を選別する方針を示し、混迷を深めている。佐賀1、2区から出馬予定の両陣営は1日、事務所開きを行ったが、公認時期が見えないまま、印刷物や政策作りなど前例のない選挙事務に追われる。有権者にも期待と戸惑いの声が交錯する。刻々と迫る選挙戦に向け、揺れる現場を追った。

 

 「不安な世の中を希望ある社会にしていくには、原口候補、そして野党、民進党が…」。そう言いかけたところで言葉が詰まり、会場から笑いが起きた。佐賀1区に出馬予定の原口一博氏(58)の事務所開き。最大の支持団体、連合佐賀の青〓直会長は苦笑いして続けた。「こんなに環境が激変するとは思っていなかった。連合の方針も揺らいでいる状況だが、万が一、(原口氏が)無所属になっても引き続き推薦する」

 希望の党の小池百合子代表が民進参加者の選別方針を示しているが、1区の原口氏、2区の大串博志氏(52)の両陣営は公認に自信を見せる。大串氏は事務所開きで支援者に「心配でしょうが、私に託し、お任せいただきたい」と訴えた。原口氏は支援者から民進党と書かれたポスターを指さされ、「(党名の)書き換えは間に合うのか」と尋ねられると、「間に合うかなぁ。色を(小池カラーの)緑に変えんばかな」。

 

■手続き取れず

 

 選挙事務を担うスタッフは「一両日中」とされる公認発表を待ちわびる。両陣営ともポスターやチラシは民進党のまま。10日の公示後は希望の党に変えなければならないが、街宣車や看板、のぼりなど発注していた印刷物はすべて止めている。希望の党からロゴの指定や供託に必要な書類も届かないため、選挙に必要な手続きが取れずにいる。

 候補予定者には報道各社から、争点や県政課題に関する政策アンケートが届く。しかし、希望の党の公約が判然とせず、微妙な書きぶりに気を配る憲法観や安全保障政策に関しては書けずにいる。民進党本部から使う予定だった公約も送られてきた。陣営スタッフは「『参考に』ということだが、どうするのか」。

 支援者の反応は、佐賀の特殊事情もあり、反発よりも期待の声が多いという。もともと地方議員の数も少なく、比例票も伸びないなか、草の根選挙で掘り起こした「原口党」「大串党」と呼ばれる独自の基盤を持つ両陣営。「これまで人柄を支持してきたから」「面白くなってきた」など合流に理解を示す声が寄せられている。

 一方、県内の自民陣営は「野合だ」「劇場型、風頼みの選挙の結末がどうなるか有権者は分かっている」と攻勢を強める。

 小池旋風を有権者がどう判断するのか。まだ先は見えない。

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