部落差別解消推進法などについて講演した近畿大人権問題研究所の奥田均教授=佐賀市文化会館

 差別と人権を考える佐賀県民集会が29日、佐賀市文化会館で開かれた。近畿大人権問題研究所の奥田均教授が、昨年12月に施行された「部落差別解消推進法」をテーマに講演し、「この法律は新しい発想による新しい人権の取り組み。社会変革の始まりとなる」などと強調した。

 奥田教授は制定の背景について「2002年3月の『地対財特法』期限切れ以降、部落差別解消に関して15年近い法的空白期間があり、一部自治体では取り組みが後退するケースも見られた」と説明。さらにインターネットでの差別横行や昨年の「全国部落調査」復刻版出版事件など根強く残る差別の現状を紹介した。

 その上で、推進法を「初めて部落問題の解決を条文でうたった法律」と評価した。「差別なんて昔の話という人もいるが、厳しい差別ほど被差別当事者が隠したがり見えにくい」「『寝た子を起こすな論』で差別について教えないことは、間違った情報だけに触れる状況をつくる」などと述べ、「佐賀から部落差別解消に向けた新しい取り組みを発信してほしい」と呼び掛けた。

 熊本県の人権バンド「ゆう」がオリジナル曲など8曲を披露し、会場から大きな拍手を受けた。

 集会は部落解放・人権政策確立要求県実行委員会が主催し、企業や行政、学校関係者ら約1500人が参加した。

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