新聞社や放送局などでつくるマスコミ倫理懇談会全国協議会の第61回全国大会が28日、長野市のホテルで始まった。ノンフィクション作家の保阪正康(ほさか・まさやす)氏は基調講演で「メディアは人々から知る権利を託されていることを自覚すべきだ」と指摘し、歴史的な観点も踏まえた情報発信の重要性を強調した。

 開催地を代表してあいさつした信濃毎日新聞社の小坂壮太郎社長は「信頼性をどう担保し、継承するかが普遍のテーマ。倫理観や使命感を持って報道という仕事に取り組んでいるかどうかが問われる」と述べた。

 防災報道を考える分科会で高知新聞の西村博文報道部長は、中学生に防災関連の記事を書いてもらうなど南海トラフ巨大地震に備えた活動を報告した。

 インターネットとメディアの関係を議論する分科会では、ネット上のリスク管理を手がける企業「エルテス」(東京)の菅原貴弘代表取締役が、批判的なコメントが殺到する「炎上」について「社会的ステータスが高い人と、アンチファンが一定数存在する人は炎上しやすい。マスコミとその従業員はどちらにも当てはまる」として注意を促した。

 在日米軍基地や原発などの問題を議論した分科会で、沖縄タイムス東京支社の西江昭吾報道部長は「基地問題はイデオロギーではなく住民の生活の問題」と話し、反日などと批判がある中でも政権にもの申す必要があると強調。南日本新聞の赤間早也香記者は「川内原発に対し反対の声を上げにくい雰囲気が地元住民の中にある」と報告した。

 大会は、29日に申し合わせを採択し、閉会する。【共同】

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