民進党両院議員総会の後、記者団の質問に答える大串博志氏=東京・永田町

 窮鼠(きゅうそ)は果たして猫を噛(か)むのか-。支持率低下に歯止めがかからず、突然の解散で追い詰められた民進党が事実上の「解党」で最後の勝負に打って出た。臨時国会冒頭で衆院が解散された28日、総務相や政調会長として野党第1党で中心的役割を果たしてきた佐賀県連の2人が党所属衆院議員らと共に、東京都の小池百合子知事が代表を務める「希望の党」から立候補することを決断した。急転直下、県内にも吹き荒れた小池旋風に波紋が広がるが、2人は「プラスに働くようにする。いけると思う」と前向きに受け止めた。

 民進党副代表を務める原口一博氏。解散前夜から党幹部らと会談を重ね、党内や支持団体の合意形成に奔走した。インターネットテレビの生中継にも出演し、先行する報道をたしなめつつ、野党の力を結集する意義を説いた。

 両院議員総会では、「名を捨て実を取る」と訴えた前原誠司代表に拍手を送った原口氏。「大いなる決断だ」と評価した。佐賀では長く野党第1党を引っ張ってきた象徴的存在だけに、突然の公認政党の変更は、支援者への説明責任が伴う。「暗く冷たい安倍政権を終わりにする。そのために二大政党の一翼を担える勢力を結集し、政権交代を目指す。この思いは有権者に届くと思う」

 前政調会長として党内での存在感を高めてきた大串博志氏。「党名への愛着があるのは間違いない」とさみしさをにじませつつも、「12年前、政治に飛び込んだ目的は政権交代できる勢力をつくる、この一点だった。党名を変えてもこれを実現する」。前日から県内の地方議員や県連関係者にこの思いを説いた。「反発はほとんどなかった。ポジティブに受け止めてもらえた」

 小池新党の軍門に下るのではないか。支援者からはそんな杞憂(きゆう)もささやかれる。大串氏は「民進には地方組織も党員サポーターも資金もあり、全国的なネットワークと候補者もいる。こうした組織力があったからこその今回の流れだ」と反論する。憲法改正や安全保障についても「一致点は十分にある」と強調した。

 民進党県連の園田泰郎代表代行は早朝、大串氏から電話を受けた。「現職2人の議席を確保し、安倍1強に終止符を打つために一致団結して戦う。政権交代もあり得る」と力を込めた。中村哲治県連副代表も「選挙戦は(野党)ばらばらではなく一つにまとまって良い影響が出る。今までの2人の個人的な強さに政党の流れが加わり、相乗効果が期待できる」との見方を示した。

 県連は29日、原口、大串両氏も出席して臨時常任委員会を開き、希望の党との協議内容や調整の状況などを確認し、選挙対策を検討する。

 佐賀市議選と鳥栖市議選を10、11月に控え、出馬予定の民進の議員らには戸惑いが広がった。ポスターに党名を入れるなど準備が進むさなか。「党がなくならないなら『民進』で届け出たい」「自分の選挙に集中するしかない」などと差し迫った選挙を見据えた。ある民進の市議からは「良好な社民党との関係がどうなるだろうか」と今後の他の野党との関係を心配する声も上がった。

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