希望の党に民進党が合流するという政治状況に、佐賀県内では「政権批判の受け皿ができた」と歓迎する有権者がいる一方、「選挙のための野合ではないか」と冷ややかに見る人もいる。選挙戦略を優先し政策論争がおろそかにならないか、懸念する声も上がった。

 市民団体「玄海原発反対からつ事務所」代表の北川浩一さん(70)=唐津市=は、野党再編で与野党対決の構図ができたことを「安倍首相の強権的な政治に批判的な人々の受け皿がようやくできた」と喜ぶ。

 希望の党が掲げる「原発ゼロ」については「民進党の支持母体である連合と考え方が異なり、党内をまとめるのは容易ではないと思う。それでも今は脱原発を争点化したことだけも評価したい」と受け止めた。

 衆院選直前の急な再編劇を批判的に捉える人もいる。杵島郡江北町の農家大串俊実さん(70)は「ここ数日の政界の動きは急すぎてついていけない」と嘆息する。希望の党の小池百合子代表の知名度に頼り、政治家が集まっているという状況しか分からず、「仮に政権を取ったとしても何がしたいのか見えてこない」。

 有田町地域おこし協力隊の佐々木元康さん(34)は駆け込むように合流する民進党議員の姿に「勝つ可能性を探った結果だろうが、こうしていて有権者の信頼は得られるのだろうか。浮足立っている感じがする」と厳しい視線を注ぐ。

 再編劇の「主役」を務める小池氏に関しては評価する声が相次いだ。佐賀市に住む女性(69)は「都知事としての活躍とか、リーダーとして評価している。女性総理の誕生もあるのでは」と期待を寄せる。

 鳥栖市の会社経営の女性(45)も「判断力、決断力、勘の良さ、打たれ強さはすごい」と称賛する。ただ、取りざたされている国政への転身には否定的だ。「知事としての責任を放棄したら、国民の理解は得られないと思う。出るべきではない」

 佐賀市の大学生の女性(21)は、政治との距離がますます広がったように感じている。「複雑で難しい政治が今回のごちゃごちゃでもっと分かりにくくなった。きちんと政策を訴えてほしい」と注文した。

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