人手不足による企業の積極採用も背景に、働くシニア世代が増えている=佐賀市

 定年後も企業などで働くシニア世代が佐賀県内でも増えている。勤労意欲の高まりに加え、人手不足を背景に高齢者の受け入れに積極的な企業が増えているため。少子化で労働力人口が減少する一方、65歳以上の就業者数(2015年)は約5万5千人と、この5年間で3割近く増えている。

 

 「人手が足りないのはどこも同じ。社会人としての常識がある人なら、まず採用されるだろう」。調理や清掃業務などで高齢者を積極雇用している佐賀市の大型店関係者はこう話す。若い世代の働き手が減る中、定年を迎えた社員を再雇用してやり繰りしている別の小売店は「世代交代に課題は残るが、一から仕事を教える必要がない」とメリットを説明する。

 定年後も働く人が増えている背景には、年金の受給開始年齢が引き上げられ、年金受給額が減少していることもある。佐賀市のスーパーで働く女性(66)は週5日、午前8時半から4時間、レジで精算業務を担当する。「幅広い世代の客から活力をもらえるし、何より生活の足しになる。元気なら70歳を過ぎても働きたい」と話す。

 総務省の労働力調査(全国)によると、16年に仕事に就いていた65歳以上の高齢者は770万人を超え、過去最多を更新した。県内は15年の国勢調査で5万4851人が就業し、前回10年の調査から1万2197人増えている。

 働く高齢者が増える一方で、定年後の雇用の“受け皿”にもなっている県内のシルバー人材センターの会員数は60代を中心に年々減少。16年度は3800人で、統計が残る04年度以降、最低になった。

 今のところ目立った影響は出ていないが、最近は食品加工など人手不足の企業からの受託も増えている。県シルバー人材センター連合会の三好雅昭業務課長は「会員が減り続ければ、やり繰りは難しくなる。断らざるを得ない仕事も出てくるかもしれない」と見通しを語る。

 

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