湯船に別府温泉を注ぐスタッフと井手さん(右)=佐賀市川副町

 熊本・大分地震で被災した大分県別府市は27日、復興支援の恩返しとして、別府温泉の源泉を佐賀市川副町でノリ養殖を営む井手篤洋さん(50)、昌子さん(49)夫妻宅に届けた。専用の保温タンクに約4千リットルの“恩泉”を積んだトラックが井出さん宅を訪問。夫妻は「佐賀で別府温泉に入れるとは」と喜んだ。

 全国の個人宅や施設に無料で温泉を届ける「別府温泉の恩返し」事業は、5月31日から福岡市を皮切りにスタート。約2500件の応募者の中から選考し、井手さん宅で49件目の配達になった。

 別府温泉のファンでよく訪れるという井手さんは、ホームページから応募した。トラックからホースをつないで自宅の湯船に温泉を注ぐと、別府温泉の完成。井手さん夫妻は「当たるとは思わなかった。仕事の疲れが癒やされそう」と楽しみな様子だった。

 別府市は同事業の配達予算として1400万円を計上。これまで北海道や東北地方にも配達していて、3月末までをめどに、全国47都道府県を回る予定だという。

 別府市によると、昨年4月に発生した熊本・大分地震で、宿泊キャンセルが相次ぎ、観光業の被害総額は約13・7億円に上った。

 同市観光課の後藤寛和さんは「観光業は来てもらわないと成り立たない。感謝の気持ちを温泉で恩返しして、別府の元気を発信していきたい」と話した。

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