国宝の松江城への献上品を焼き上げた伊万里鍋島焼協同組合の畑石眞二代表理事(左)と小笠原圭一郎さん=伊万里市の大川内山登り窯

登り窯で焼き上げた「色絵青海波雪輪花文瓶子」

 佐賀鍋島藩御用窯の歴史を受け継ぐ伊万里市の大川内山で、国宝の松江城(松江市)に「献上」する作品が完成した。27日に焼き上げた登り窯の前で公開した。伊万里鍋島焼協同組合の畑石眞二代表理事(62)は「白磁のつやも絵の具の発色もいい仕上がりになった」と出来栄えに納得した表情だった。

 完成したのは「色絵青海波雪輪花文瓶子(いろえせいかいはゆきわはなもんへいし)」(高さ37センチ、幅22・5センチ)。いずれも鍋島の伝統図柄にある松江市の市花のツバキとボタン、市木の桜と松と、日本海をイメージした青海波を組み合わせた。

 制作には同組合の窯元が当たった。8月末に登り窯に火を入れ、交代で火の番をしながら36時間掛けて焼成後、窯元の伊万里・有田焼伝統工芸士が絵付けをしていた。10月3日に畑石代表理事らが松江市を訪れ、松浦正敬市長に贈る。

 同組合は江戸時代に将軍家や諸大名への献上品を作った藩窯の歴史を守り、技術を伝承しようと、1989年から県内の自治体や国宝の城がある自治体、国内外のゆかりの都市などに、現代の「献上品」を贈っている。

このエントリーをはてなブックマークに追加