2018年の「明治維新150年」に合わせて佐賀県は、幕末維新期の佐賀の偉人や偉業を顕彰、発信するイベント「肥前佐賀幕末維新博(仮称)」の開催を検討している。佐賀城本丸歴史館がある佐賀市城内エリアをメーン会場と位置付け、県内の各市町に呼び掛けて各地でもそれぞれが誇る文化や伝統、技術などをアピールする。県民に佐賀への愛着と誇りを育み、次世代に継承していく。

 構想では、開催期間は18年3月から翌19年1月までの10カ月間で、メーン会場として県立博物館・美術館北側のスペースや佐賀城跡一帯などを想定。仮設の展示施設・スペースを設置する案のほか、市村記念体育館、中心市街地の空き店舗の利用も検討している。

 日本初の実用蒸気船「凌風丸(りょうふうまる)」や鉄製大砲を製造した幕末期の佐賀藩の技術力、全藩士の子弟が学び特徴的な学習スタイルで優れた人材を輩出した藩校・弘道館などの偉業や、積極的な藩政改革で佐賀藩を雄藩に押し上げた10代藩主鍋島直正、早稲田大創設者で首相も務めた大隈重信ら偉人に関する情報を発信する。

 そのほか、佐賀藩士山本常朝が武士の心得を記した『葉隠』を紹介する展示や県と連携協定を結んでいるオランダ関連の施設展示などのアイデアも出ている。

 佐賀市だけでなく、各市町でもイベントや展示などの展開を模索する。東京駅などを設計した唐津出身の建築家辰野金吾や「明治の書聖」と呼ばれた小城出身の書家中林梧竹ら各地の偉人のほか、鳥栖の売薬など地域が誇る産業、文化などにスポットを当てた情報発信ができないか各市町と協議する考えで、県民総参加を演出することで事業効果の最大化を狙う。

 1月中に、知事を本部長に各部局長でつくる明治維新150年事業推進本部会議を開いて構想の具体化を進め、新年度県予算案に一部の事業費を盛り込む。事務局の文化・スポーツ交流局は「単なる懐古主義に陥らずに次代につながるような仕掛けを考えたい」としている。

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