政権選択選挙となる次期衆院選の立候補予想者は12月31日現在で938人に上ることが共同通信社の調査で分かった。うち女性は136人。小選挙区には883人が出馬を目指す。憲法改正の国会発議に必要な「3分の2」以上の議席を占めている与党は勢力維持を狙う。対抗する民進、共産、自由、社民の野党4党は安倍政権打倒を目指す。共闘の成否が焦点だ。衆院議員任期4年の半分が過ぎ、安倍晋三首相は衆院解散の時機を探る。

■2017佐賀県内の情勢 野党共闘の行方焦点

 衆議院は4年の任期を折り返し、佐賀県内でも次期選挙をにらんだ動きが出始めている。「1月解散」の風は弱まり、時期は不透明さを増す。昨夏の参院選と同様、「野党共闘」が焦点の一つ。佐賀1区、2区とも自民、民進の現職がぶつかる公算が強いだけに、その行方が注目される。

 2014年12月の前回、1、2区とも自民、民主(当時)の現職の争いに共産新人が加わる構図で、1区は民主の原口一博氏(57)が骨折による入院で本人不在での選挙戦という劣勢をはね返して競り勝ち、2区は佐賀県知事を辞職して出馬した自民の古川康氏(58)が大差で初当選した。1区・自民の岩田和親氏(43)と2区・民主の大串博志氏(51)は、比例で復活を果たした。

 自民は、1区・岩田氏、2区・古川氏の出馬が濃厚で、復興相を務める今村雅弘氏(69)=比例九州=は前回同様、比例で出馬する見通し。前回約2500票差で敗れた岩田氏は「選挙区での議席確保しか頭にない」(事務所関係者)との意気込みで、地域でのあいさつまわりに余念がない。古川氏も昨夏の参院選以降、精力的に地元を回り、解散・総選挙に備える。

 自民党県連の土井敏行幹事長は、過去の激戦を踏まえて「民進の両現職に比べ、岩田、古川氏は経験が浅い。むしろ挑戦者の気概で準備を進める必要がある」と強調する。

 連立与党の公明党は比例重視で、選挙区では自民との選挙協力を進める。県本部の中本正一代表は「区割りの議論で比例九州の定数が減る見通しだけに、相乗効果を上げる取り組みが必要」と指摘する。

 民進党は、民主党から看板が掛け替わって初めての総選挙となる。1区の原口氏は前回、知名度や組織力などを生かして競り勝ったが、今回は健康問題が影を落とす。昨年11月に転倒による骨折で入院、骨の遺伝性難病であることを公表した。事務所関係者は、選挙への影響を覚悟するものの「プラスかマイナスかは分からない」と話す。党政調会長の要職にある2区の大串氏は、多忙な党務の合間を縫って地元に戻り、民主時代に手薄だった旧3区での足場固めを図る。

 焦点の「野党共闘」。昨夏の参院選では民進側が既存の支持者や一部労組の“共産アレルギー”を懸念して、踏み込んだ連携は実現しなかった。候補一本化から選挙戦の戦略と進め方までどの程度、連携の度合いを深めるのか。民進党県連は党本部が方針を示した後に検討を進める。

 共産党県委員会は12月、佐賀1区に新人で党県常任委員の上村泰稔氏(51)=佐賀市=を公認候補として擁立することを発表した。佐賀2区も1月中には公表する予定だが、野党共闘に取り組む姿勢も示す。今田真人委員長は「候補一本化については市民団体を通じて働き掛け、中央レベルでの話し合いも注視していきたい」と語る。社民党県連は独自候補は擁立せず、民進の候補を推薦する方針だ。(衆院選取材班)

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