2017年の佐賀県内の首長選は、4市3町で繰り広げられる。1月29日投開票の唐津市は新人4人が立候補を表明、同日投開票の杵島郡白石町は現職だけで無投票の可能性もある。秋には県都・佐賀市の市長選があり、現職の動向に注目が集まる。議員選は5市町で改選、みやき町は町長選に合わせて欠員1の議員補選が実施される。

■佐賀市 秀島氏、6月ごろ態度表明

 出馬表明した立候補予定者はいない。注目が集まる現職の秀島敏行氏(74)=本庄町、3期=は、態度表明が6月ごろになるとの見通しを示しており、しばらくは水面下で出馬を探る動きが続きそうだ。

 秀島氏は元市職員で消防長、市水道局長などを歴任。合併に伴う2005年の選挙で「改革派」の現職との一騎打ちを制して初当選した。09年選挙は無所属・新人に2万5千票差で勝利。13年選挙は保守系4人の争いで、自民の元県議会議長を1759票差で破り、3選を果たした。

 昨年11月の会見で秀島氏は、態度表明について「まだ深く考えていない」とした上で、「6月議会までにはと思っている」と述べた。前回、自主投票となった自民、公明はじめ民進、共産、社民も出馬表明者がいないため市長選への対応は白紙で、秀島氏の動向に注目する。

■唐津市 4氏名乗り、混戦必至

 新人4氏が手を挙げている。元県議の峰達郎氏(56)=山本、前副市長の岡本憲幸氏(61)=菜畑、医療法人理事長の田中路子氏(68)=朝日町、市議の志佐治徳氏(69)=厳木町=の4氏で、激しい選挙戦になりそうだ。

 峰氏は次点だった前回に続いての挑戦。汚職事件などで市政不信が広がる中、「信頼を取り戻す」と昨春に出馬表明した。この間、県議時代に入り込めなかった旧郡部で後援会支部を立ち上げ、支持を広げてきた。

 総務部長など中枢で市政を支えてきた岡本氏は、11月下旬に表明した。各方面から要請を受けての出馬。応援態勢づくりが着々と進むが、知名度は高くなく、会合などで「信頼と連携のまちづくり」を訴える。

 この2氏だけが表明した時点で、それぞれに支持者がいる県農政協支部と自民党の地域協議会は「自主投票」と決めた。

 12月に入って、過去2度の市長選を戦った田中氏が「政治・行政経験のある人ばかりが市長になっている」と民間出身で初の女性リーダーを目指すと決意した。年末には志佐氏が「不正・腐敗を一掃でき、反原発を言う候補がいない」と市民団体に推される形で名乗りを上げた。

■小城市 江里口氏、4選出馬を表明

 昨年の12月議会で、現職の江里口秀次氏(64)=小城町、3期=が、4選への出馬を表明した。現時点で他に表立った動きはない。

 江里口氏は、3人が争った2005年、合併に伴う市長選に圧勝し、以後当選を重ねた。小城町長時代の2期を含めれば、今回の市長選で6選目となる。「(市長の)1、2期目は合併問題への取り組みで終わり、市長の役割を果たすようになったのは3期目から。今度の選挙は実質2期目と思っている」と多選に当たらないという認識を示す。

 無投票再選がささやかれる一方、「合併10年が過ぎ、今までの市政の在り方を問う必要がある」との意見が市議や区長の一部あり、水面下で模索が続いている。

■多久市 5期横尾氏の動向に注目

 3人が名乗りを上げた4年前とは打って変わって、現在のところ出馬表明した立候補者はいない。動向が注目される現職の横尾俊彦氏(60)=北多久町、5期=は取材に「ゆうらく再生策など山積する課題に市長としての責務を集中している。(市長選の)時期が近くなれば、しかるべきタイミングで明らかにしたい」と述べるにとどめた。

 横尾氏は1997年の市長選で新人3人の激戦を制し初当選、2~4期目は無投票再選だった。旧「ゆうらく」再建にめどをつけ、子育て支援センターの中核施設建設など実績を積み重ねている。

 自民系と非自民系の選挙戦が前回市長選、県議選と続き、僅差の激戦を繰り広げ、いずれも非自民系候補が当選した。自民系の動きも鍵を握る。

■白石町 現職、再選目指す

 現職の田島健一氏(66)=福富下分、1期=が昨年6月の定例議会で、立候補する意向を表明した。現在のところ他に立候補の動きはなく、無投票となる公算が大きい。

 田島氏は県武雄土木事務所長などを経て2012年、新人同士の一騎打ちを制し初当選。今回は出馬表明で第2次総合計画やまち・ひと・しごと創生総合戦略の仕上げを掲げ、重点施策には道の駅「しろいし」の整備、定住促進などを挙げた。

 町は「日本創成会議」の推計で人口の維持が困難な「消滅可能性都市」に挙げられた。人口流出を防ぐ施策に加え、移住者を受け入れる環境整備、情報発信力なども求められている。

■上峰町 現職の出馬濃厚

 現職の武広勇平氏(37)=堤、2期=は12月議会の一般質問で態度を明言しなかったが、「1、2期目の公約で果たせていないものが六つある」とも述べ、出馬の可能性が高いとみられる。「1月中に態度表明したい」と話す。長く2派に分かれ争う議会の構図は変わっておらず、水面下では対抗馬擁立の動きがある。

 武広氏は2009年、公職選挙法違反で前町長が失職したことに伴う出直し町長選で初当選し、当時、全国最年少首長となった。13年には上峰町で初めてとなる無投票再選を果たした。

 財政健全化を進めてきたが、子育て世代の流出防止や中心市街地再開発などの課題が残る。12月議会では7年ぶりに補正予算案が否決され、町長選を見据えた攻防が激化している。

■みやき町 3期連続無投票も

 現職の末安伸之氏(60)=簑原、3期=は態度を明確にしていない。取材に対し「現在は熟慮中。1月中に判断したい」と述べるにとどめているが、町内では「出馬は決定的」との見方が大勢を占める。他に目立った動きはなく、3期連続無投票の可能性もある。

 末安氏は旧中原町長を3期務め、2005年の3町合併に伴う選挙で初代みやき町長に選ばれた。09、13年は無投票で再選を果たした。

 住宅施策の強化によって転入超過が4年連続で続いている一方、人口減に歯止めはかかっていない。旧町時代を含む24年間の末安町政を町民がどう判断するのか、対抗馬擁立が焦点となる。

 =市議・町議選= 6市町で改選・補選

 佐賀県内の市町議会は唐津市、佐賀市、鳥栖市と杵島郡白石町、東松浦郡玄海町の5市町が任期満了を迎え、改選される。このうち唐津市と白石町は今回の改選から定数を2削減する。このほかみやき町では町長選(4月2日投開票)に合わせ町議の補選(定数1)が実施される。

 唐津市は市長選と同時で1月22日告示、29日投開票。定数は32から30になる。現職22人、元職1人、新人10人前後が出馬する見通し。

 白石町も町長選と同日程で1月24日告示、29日投開票。定数は18から16になる。昨年11月の立候補予定者説明会には20陣営が出席しており、選挙戦となる見通し。前回は無投票だった。

 玄海原発が立地し、前回無投票だった東松浦郡玄海町(定数12)は9月29日、佐賀市(定数36)は市長選と同じく10月22日、鳥栖市(定数22)は11月29日にそれぞれ任期満了を迎える。

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