国際的なパワーバランスの変化に巻き込まれ、日本の政治の力が試される年になる。それも、年明け早々からいきなり正念場を迎えることになりそうだ。

 日米関係はどこへ向かうのか。米国でトランプ政権が始動し、新たな局面に差し掛かる。ビジネスマン出身のトランプ氏は、日米同盟までも「取引」関係ととらえているようだ。選挙期間中は在日米軍の費用負担の引き上げを日本側に求めるとしており、応じなければ撤退さえもちらつかせていた。

 オバマ政権の「アジア重視」政策に比べると、米国外交が一変する可能性がある。

 一方でトランプ氏は中国に対して挑発的な言動も繰り返しており、米中関係は緊迫しそうだ。日本としては、台頭する中国に対峙(たいじ)するためにも、日米同盟の重要性をトランプ氏に納得してもらう必要があるだろう。

 東アジアのパワーバランスは危うさを増すばかりだ。弾道ミサイルや核開発に突き進む北朝鮮に対して国際社会は有効な手立てがなく、拉致問題は解決の糸口さえ見えない。韓国は朴槿恵(パククネ)大統領のスキャンダルで政治が機能不全に陥っている。

 特に気がかりなのは、暗雲立ち込める日韓関係だ。両国の懸案だった慰安婦問題に決着をつけたはずが、ここにきてソウルの少女像を撤去するどころか、新たな像を釜山の日本総領事館前に設置する動きまで出てきた。

 日韓は北の脅威に備えるため、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を結んだ。日韓双方にとってメリットがあるにもかかわらず、朴大統領への憎しみを反日と結びつけて破棄しようとする韓国世論の動きは理解しがたい。

 また、ロシアとの関係も先行きは見通せない。プーチン大統領の訪日で北方領土問題の前進に期待が高まったが、ほとんど成果はなかった。ロシアへの経済支援ばかりが先行し、領土交渉の行方は見通せない。

 北方領土交渉は、安倍晋三首相の解散戦略にも影を落としている。一時は今月にも解散・総選挙に打って出るのではないかと見られていたが、ロシアとの交渉難航で早期解散は遠のいたようだ。

 3月の自民党大会では総裁任期が正式に延長されるが、安倍政権の長期戦略が思惑通りに進むかどうかは、夏の東京都議選がひとつの焦点になる。新党結成もささやかれる小池百合子知事の動き次第では、国政にも大きな影響を与えるからだ。

 今年は国民的な論議が欠かせない重要なテーマが山積している。その筆頭は、天皇陛下の「生前退位」問題であり、憲法改正論議も本格化するだろう。

 昨年の参院選から18歳選挙権がスタートしたが、県内では初めての地方選挙が年明けから控えている。今月の唐津市長・市議選、白石町長・町議選を皮切りに、上峰町長選、小城市長選、みやき町長選・町議補欠選挙と続く。いずれも春までに日程が集中しており、選挙のシーズンが到来する。

 この先、国政レベルの難しい判断を迫られる場面もやってくるだろう。私たちひとりひとりがどう選択するかが、大きな変化に結びつくのだと自覚しつつ、未来のために一票を投じたい。(古賀史生)

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