九州電力玄海原発3、4号機再稼働への同意を表明した岸本英雄玄海町長=玄海町役場

 東松浦郡玄海町の岸本英雄町長は7日、町内に立地する九州電力玄海原発3、4号機の再稼働に同意したことを表明した。同日朝、九電の瓜生(うりう)道明社長に電話し、町として容認する方針を伝えた。岸本町長は会見し「原子力規制委員会の審査結果を尊重し、住民の代表である町議会議員の判断を重く受け止めた」と述べた。

 地元同意の範囲や手続きに関する法的な定めはないが、他県の先例を当てはめると、実質的に再稼働には立地自治体の首長と県知事の同意が必要となる。岸本町長が再稼働を容認したことで、今後は山口祥義知事の判断に焦点が移る。

 岸本町長は再稼働同意の理由について「何度も発電所を見に行っているし、規制庁や経済産業省から説明を受けた。一定の安全性を十分維持している」と強調した。「うち(玄海原発)が回らなければ、エネルギーの安定供給に支障を来すという心配も含めて、もう判断していいのではと思った」と語った。

 瓜生社長とは15~20分電話会談した。「私は(再稼働を)理解しました」と伝え、原発のさらなる安全の確保や使用済み核燃料の安全管理、地場産業の育成など6項目を要望した。

 玄海3、4号機は1月、福島第1原発事故後に定められた国の新規制基準に基づく規制委の審査に合格。町議会は2月24日に再稼働に同意し、岸本町長は県が5カ所で開く県民説明会後に判断する意向を示していた。県民説明会の参加数(計1048人)に関し、岸本町長は「あの人数からすると、本当に賛成する人か、興味のない人が大半であるということは分かった」との認識を示した。

 山口知事は18日に県内20市町の首長の意見を聞くGM21ミーティングを開く。佐賀県議会は今議会での判断を見送り、4月以降に意思表示するものとみられる。岸本町長は、知事と県議会に対して「できるだけ早く」と注文した。

 玄海町の再稼働同意を受け、九電は町の判断への感謝を示し、「残りの工事計画認可や保安規定変更認可に係る審査に真摯(しんし)に取り組むとともに、地域の皆さまへの丁寧なコミュニケーション活動に努めてまいります」とコメントを出した。

=玄海町長九電への要請6項目=

(1)原発のさらなる安全の確保、町民との信頼関係の向上、町民への適時適切な情報提供に努めること。

(2)万が一の事故発生時の要員は町内に居住すること。

(3)関係法令を順守し、ヒューマンエラーの確実な防止を図り、遺漏のないように努めること。

(4)避難行動計画の実効性を高めるために、町が求めた対応・要請は真摯(しんし)に対応すること。

(5)使用済み核燃料の保管は発電所内において安全に管理し、長期保管にならないように努めること。

(6)玄海町の住民福祉の向上、地場産業の育成、商工業の振興への協力。

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