開門を含めた議論を呼び掛けた長崎地裁の提案を受け入れる意見書について説明する漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長(中央)=福岡市の福岡高裁

 国営諫早湾干拓事業の開門差し止め訴訟の和解協議に関し、開門に代わる基金案と開門を含めた議論を並行して行う長崎地裁の提案について、開門派の漁業者側弁護団は7日、「受け入れる」とする意見書を地裁に提出した。既に拒否している開門阻止派の営農者側に対し、理由を具体的に説明するよう要望し、和解協議の継続を求めた。

 漁業者側は意見書で、和解協議が打ち切られれば「解決が遠い未来に押しやられる」とさらなる長期化、複雑化を懸念した。その上で、確定判決で全開門の権利があるものの、部分開門でも一定の効果があるとして「開門方法に妥協を試みる」と譲歩。十分な事前対策工事や被害の補償、振興策を実施する農業基金の創設を提案し、三者の利害調整は可能としている。

 営農者側の姿勢を、「和解協議の重要性と社会的要請を看過している」と批判し、拒否理由の説明を求めた。国には、地裁の提案を受け入れ、漁業者側の提案の具体化を注文した。

 福岡市で会見した漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長は「和解協議は(継続できるかどうかの)ぎりぎりまで来ている。話し合いでの解決は三者が一致しており、営農者側は互いの利害得失の議論から逃げるべきではない」と強調した。

 地裁は、国が示した100億円の基金案をベースにした和解勧告の議論継続を条件に、開門を含む議論も行うことを提案。次回協議の3月27日前に回答を求めていた。国は現時点で回答していない。

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