佐賀東を初の冬16強に導いたのは、2年生FWの左足だった。鵬学園(石川)から2ゴールを奪った中里知己。殊勲のヒーローは「自分でもびっくり。監督に『お前の仕事は限られている(点を取ること)』と言われていたので、点を取れてうれしい」とはにかんだ。

 前半、守勢の中でも味方からパスが来ると信じ、相手DFの背後を突くなど前線で動き回った。「足がつりかけた」ほどだったが、ベンチから「点を取ってこい」と声を掛けられ、発奮した。

 後半7分。「(井手)威丸さんがいい感じで落としてくれた」と、MF井手のパスにうまく相手の背後に抜け、ワントラップから迷わず左足を振り抜いた。15分にはゴール前での相手のミスを見逃さず、再び左足でゴール。「左の強烈なシュートが自分の持ち味」という通りの活躍だった。

 小学生の時は空手に親しみ、サッカーは三日月中で始めた。一つ年上で、佐賀北に進んだ轟木雄基の誘いがきっかけ。プレースタイルをまねするほど影響された。

 今大会、その轟木に激励を受けて全国の舞台に立った。佐賀大会決勝で戦った帰り際、昨冬を経験した轟木にこう声を掛けられた。「2年で全国を踏めるのはいい経験。名前を売ってこい」

 ベスト8を懸けた3回戦は優勝経験もある強豪、滝川第二とぶつかる。「チームのために走ることが点につながる」と中里。勝利のため、そして仲のいい先輩にいい報告をするために、また全力で走る。

このエントリーをはてなブックマークに追加