今年は酉(とり)年。年始は特に年賀状などで干支(えと)を身近に感じる。酉は鶏(にわとり)であるが、「古事記」や「万葉集」などの古語ではカケ(迦祁、可?)と記される。カケは今も方言として愛媛県松山市などに残っており、新潟県佐渡ではカケロといっている(山中襄太著『語源十二支物語』)◆カケは鶏の鳴き声からきたものだ。鶏がいつ日本に入ってきたかははっきりしないが、1300年前に完成した古事記の中の神話「天(あま)の岩戸(いわと)」には登場するので、それより前のことだろう。大陸から持ち込まれたといわれている◆神話では、天の岩戸と呼ばれる洞窟に天照大神(あまてらすおおみかみ)が隠れ、世の中が暗闇に包まれた。困った大勢の神々は知恵を絞った末、鶏に鳴かせて朝と思わせ、にぎやかにはやし立てて引っ張り出すことに成功する。世の中に光が戻ったことで、崇敬の対象になり、縁起の良い動物とされている◆「申(さる)酉騒ぐ」は相場の格言だが、過去3度の酉年を振り返れば、日経平均株価は全て上昇しており、今年はどうだろうか。震源は海の向こうとなるやもしれない。米国でトランプ氏が大統領に就任し、「異端」の登場後の動きが注目される◆きょうは証券取引所の取引開始日「大発会」。年末からの上昇相場の続きを望む声も聞こえてきそうだが、暮らしの中にもぜひ、元気を「取り」込みたいものである。(章)

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