4県の漁業者約100隻が排水門前に集結し即時開門を訴えた=長崎県諫早市

 国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)の潮受け堤防の開門をめぐる問題で、佐賀、長崎、熊本、福岡の4県の漁業者有志が3日、北部排水門付近で国に即時開門を求める海上デモを実施した。国が開門をしない代わりの条件として示す総額100億円の有明海振興策の基金案に佐賀を除く漁業団体が受け入れ方針に傾く中、漁業者ら約300人が約100隻の漁船を連ねて「宝の海を返せ」「金で漁民をだますな」と怒りの声を挙げた。

 早朝の濃霧の影響で出港が遅れたが、正午すぎに漁船が堤防付近に集結。高級二枚貝のタイラギは稚貝の大量消滅で5季連続の休漁となり、ノリ養殖は赤潮の発生で冷凍網の張り込み時期が遅れるなど、有明海の異変と向き合う漁業者は、漁に出られないもどかしさや切実な思いをシュプレヒコールに込めた。

 呼びかけ人の松藤文豪さん(60)=福岡県大牟田市=はデモ終了後、「漁連・漁協を金で無理やり納得させ、海の異変から起こる問題を漁民に押しつけるのが今回の基金案。このままでは有明海再生は遠のくばかり」と話し、デモの再度実施も検討しながら、今後も訴えを続ける考えを示した。

 タイラギ漁師の平方宣清さん(64)=藤津郡太良町=は「有明海の環境悪化で漁業が成り立たなくなり、若者が次々と地域を去っていく状況を国はどう考えているのか。地方創生を本気で考えているのであれば、宝の海を取り戻すことが最優先のはずだ」と語気を強めた。

※佐賀新聞電子版(http://www.saga-s.co.jp/viewer/plan.html)に動画

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