国内に住む全ての人に12桁の番号を割り当て、複数の行政機関が個人情報を管理するマイナンバー制度の導入から、1日で1年となった。ただ希望者に交付する個人番号カードの取得数は、管理システムの不具合もあって国内人口の8%程度と伸び悩んでおり、政府はカードの利便性向上などでマイナンバー制度の浸透を図る。今年7月には国や自治体の情報連携が本格的に始まり、窓口での手続き簡素化が進みそうだ。【共同】

 現在、個人番号は社会保障や税の手続きで提示を求められる。番号カードの取得は昨年12月27日時点で982万枚。

 日本年金機構は基礎年金番号と個人番号を結び付ける作業を進めており、今年1月から窓口での相談や照会に個人番号を使う。当初は2016年1月の予定だったが、15年6月に機構の情報流出が発覚し延期された。

 時期は未定だが、年金機構と自治体の情報連携も計画。実現すれば、年金の受給申請で市区町村の課税証明書が不要になる。

 7月からは自治体同士がマイナンバー制度に基づいて個人情報を照会できるようになり、低所得のひとり親家庭を支える児童扶養手当の申請などで添付書類が減る。

 行政機関の照会記録を本人が確認できるサイト「マイナポータル」も7月から本格運用。このサイトでは、保育所の入所申請の受け付けなどサービスを順次拡大する。

 18年1月には金融機関の預貯金口座と個人番号の連結が、本人の同意を条件に始まる。旅券発行や戸籍事務に番号を適用して手続きを簡略化する法改正は、19年の通常国会での実現を目指す。

=民間サービスは手探り=

 政府は個人番号カードの取得率向上を目指し、民間企業にオンラインでの本人確認機能を使った独自サービスの提供を呼び掛けている。だが重要な個人情報が記載された番号カードの商業利用には消費者の警戒感も強く、使途拡大は手探りの状態だ。

 民間企業が番号カードの機能を利用するには、総務相の認定を取得する必要がある。これまではシステム開発会社が将来の事業展開に備えて取得するケースが多く、既に導入済みのサービスは、証券会社のオンラインによる口座開設手続きなど一部にとどまる。

 政府が想定するのは、イベントのチケットやクレジットカード、社員証や学生証としての利用など。総務省は、カードを持ち歩かなくてもよいよう、スマートフォンにカード機能を収納することも検討する。

 ■マイナンバー制度 国や自治体が持つ複数分野の個人情報を、個人ごとの統一番号で管理する制度。同一人物であることを確認する「名寄せ」作業を効率化でき、各種手当の二重給付などが防げると期待される。個人番号を記載した通知カードは、2015年10月以降、各世帯へまとめて送られた。希望者には写真付きで身分証明書としても使える個人番号カードが交付される。

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