空、海、風、木々の香り…東京から唐津を思う

■素晴らしきかな、唐津

 もう弥生、ですね。加齢とともに時の経過が加速している事を実感しています。忙しく過ごしていますが、丁寧に日々を過ごしていきたい、そう自戒しているこの頃です。

 先月初め、玉島川でシロウオ漁の梁(やな)仕掛けが始まった、との報に接しました。私の場合、東京で春一番が吹いても、拙宅近くの羽根木公園の梅が見頃だと言われても、どうにも春の訪れを感じる事ができません。シロウオ漁のニュースが一番ピンと来るんです。

 今月に入り暖かい日が続いています。彼(か)の地では本格的な漁期の最中なのだなぁ、などと想(おも)っていると、ささくれた心がみるみるほぐれていきます。

 3月と言えば左党にとってもうれしい季節。蔵が開かれ、フレッシュな新酒がお目見えしますから。唐津は誉れ高い蔵があります。お気に入りの唐津焼のぐい呑(の)みに搾り立ての酒を注ぎ、一口含む。細胞のひとつひとつまでもが喜んでいるように感じるのは私だけではないでしょう。

 季節の新しいものを尊び、その一番に触れる、その大切さ。齢(よわい)五十になり、四季の訪れに一層感じ入るようになりました。

 萌(も)えいづる春。岸岳、名護屋城跡、虹の松原、唐津城…私の好きな場所に心地よい風が吹き抜ける良き季節になります。ゴールデンウイークの唐津やきもん祭りももうすぐ、ですね。

 素晴らしいかな、唐津。

 在京の強みを活(い)かし、このまちの素晴らしさを一人でも多くの人と共有したい。そして実際に訪れてもらえるよう、さらなるアクションを起こしていきます。春には「唐津小唄」が完全復刻されます。「チャントナ、チャントナ」とそこかしこで子どもたちが口ずさんでいる事を想いつつ、ひとまずペンを置きます。一年にわたり駄文にお付き合い頂きましてありがとうございました。

 むらた・まさとし 東京都町田市出身、世田谷区在住。ポニーキャニオン勤務。唐津に魅せられ、その魅力を新聞、雑誌、ブログを通じて発信している。50歳。

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