師走の唐津には、にぎわう離島航路がある。宝くじの御利益があると評判の宝当(ほうとう)神社がある高島だ。今年の年末ジャンボの最高当選額は前後賞あわせ10億円。県外の客も多く、さまざまな夢を胸に船に乗り込む。島では招き猫など御利益グッズも販売する。夢も島おこしになる◆宝くじ客に聞けば、必ずしも「10億円」狙いばかりでもない。「当選額が低くても、たくさんの人が当たった方がいい」。全体でみれば、富は誰かに集中するより、多くで分かち合う方が幸せになれるということだろう◆ネットで資金調達するクラウドファンディングに取り組む島もある。「神様が集まる」とさらに縁起が良さそうな名の神集島(かしわじま)だ。九州大が協力するまちづくり研究室が、島唯一の店「神集島購買部」の古い冷蔵庫を買い換えようと計90万円の支援を年末に呼びかけた。協力者には島名産の石割豆腐などを返礼する計画だ◆深刻な離島の高齢化はこの島も例外ではない。小学校は5年前に閉校し、子どもたちの元気な声が響かなくなった。今では数少ない島民の集いの場となった購買部を支える狙いもある◆店の冷蔵庫には島の女性たちがつくる総菜が並んでいる。不摂生になりがちな高齢者の食卓を思い、今年から週2日、総菜の販売を始めた。島内外で芽生えた支え合いの仕組みをしっかり育てたい。(日)

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