復活させた曳山人形と「唐津民芸曳山」の大森登至郎代表(右)と西田紀一さん=唐津市神田

4月の発売再開に向け、人形製作が急ピッチで進む「唐津民芸曳山」の工房=唐津市神田

■「唐津民芸曳山」型や道具受け継ぎ

 かつて「唐津民芸」の屋号の下で製作されてきた唐津くんちの曳山(やま)の人形が6年ぶりに復活する。同社の道具や技術を唐津市神田に構えた新たな工房「唐津民芸曳山(ひきやま)」(大森登至郎代表)が受け継ぐ。きっかけは昨年12月の「唐津くんちの曳山(ひきやま)行事」のユネスコ無形文化遺産登録。「先人の思いを絶やさず、くんちの繁栄に貢献したい」と思い立った。4月1日から販売を始める。

 人形は大石町の故野口喜光さんが1970年前後から作り始めた。高さ26センチから2センチまで5段階のサイズの人形と土鈴があり、小さくなるほど丸っこくなり、デフォルメされた造形が愛らしい。優れたお土産品として多くの賞を受賞し、2000年には年賀切手のデザインに「飛龍」「七宝丸」の人形が採用された。

 野口さんが05年に77歳で亡くなった後も身内や職人が続けてきたが、この5年は製作されていなかった。ユネスコ登録の報道に触れ、野口さんの手伝いをした経験を持つ同市水主町の西田紀一さん(71)が「復活させよう」と旧友の大森登至郎さん(77)に持ちかけて話が進み、大森さんの自宅に工房を設けた。

 石こうの型に入れた粘土を乾かして素焼きし、色を塗る。保管してあった型など道具類をそのまま譲り受け、野口さんのもとで経験を積んだ職人も働く。工房では発売に向け、急ピッチで手作業が進む。

 2人は「心意気がどこまで通じるか。やってみないと分からない」としながらも、ユネスコ登録による観光客増、ふるさと納税の返礼品の活用も見込む。8日に人形を寄贈された唐津曳山(ひきやま)取締会の大塚康泰総取締(72)は「今は曳山のいろんな小物があるが、以前は野口さんの人形ぐらいだった。ふるさと納税の返礼品になれば、曳山の魅力で市に寄与できる」と喜んだ。

 価格は各1台で大山が5400円、中山が3240円、小山が1080円。14台のミニ山セットが4320円、豆山セットが3780円。土鈴が各1個972円。当面は曳山展示場とアルピノで取り扱う。

 問い合わせは唐津民芸曳山、電話0955(74)0526。

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