■自民「議論加速の材料」/民進「立憲主義反する」

 憲法9条を改正して2020年施行を目指すとした安倍晋三首相の3日の発言に対し、佐賀県関係の自民党国会議員から「改憲論議の活性化を狙ったのではないか」と理解する声が上がったが、民進党議員は「権力者たる総理自ら改憲を主導するのは立憲主義に反する」と反発した。

 参院憲法審査会の委員を務める自民党の山下雄平氏(佐賀選挙区)は初当選した選挙の公約で改憲を訴えた経緯を踏まえ、「議員として責任のある(任期の)19年までには改憲の発議がされるべきと考えていたので、20年施行というのは適当な時期だ」と賛同した。

 福岡資麿参院議員(同)は今回の発言が首相個人の考えであることを強調し、「党内で議論してから党としての案を決めるのが自民党。安倍首相の案はそれとして受け止め、党内の議論を加速させる材料の一つになればいい」と語った。

 岩田和親衆院議員(比例九州)は「踏み込んだ発言をされたと思うが、それほど違和感はない」との印象を述べた。「戦力不保持」の2項を残したまま自衛隊の存在を明記する文言を加えるとした9条改正の新たな提案については「反対意見の強い条項だが、他党も比較的受け入れやすい提案ではないか」とした。

 古川康衆院議員(佐賀2区)も「一人の政治家として一石を投じたのだと受け止めている。今後、自民党内や国会で議論を深めていくことになる」と話し、9条に関しては「自衛隊が合憲ではないという憲法学者も多くいる中で、提案する意図は分かる。朝鮮半島危機の中で政治家としてメッセージを発したかったのかもしれない」と推察した。

 一方、民進党衆院議員の大串博志政調会長(比例九州)は「国民が憲法で国家権力を縛るという立憲主義の考えに基づけば、首相の発言には違和感を感じる」と批判した。「国民のものである憲法は国民の代表の国会で議論を尽くし、発議され、国民投票にかけられていくべき。首相の一存で20年の期限を設けるのも疑問だ」と懸念を示した。

 原口一博衆院議員(佐賀1区)も「改憲と五輪は何も関係ない。20年施行に意味はなく、混乱を招く」と一蹴した。9条の自衛隊明記には、「国会の中で自衛隊を違憲と主張する議員はほとんどいない。自衛隊は『戦力』に至らないから合憲であり、変える理由がない。首相は自衛隊の指揮者でありながら、今回の提案は多くの矛盾を抱えている」と指摘した。

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