水車の取り付けを行う建築科の生徒たち=唐津市相知町の町切地区

■江戸時代の水車よみがえる

 工業、商業など実業系高校の生徒が取り組む「課題研究」は、時にユニークな内容で注目を浴びる。同校建築科でも、数年前からある珍しい課題研究が続いている。唐津市相知町の町切地区に古くからある、「町切水車」の再建だ。

 きっかけは、学校へ届いた、老朽化した水車の新調の相談だった。高台の田んぼへ用水路の水を送るため、江戸時代から設置されてきた歴史ある水車だが、減反の影響で数が減ったり、腐食で壊れたりしていた。

 図面も無い中、古びた部品を参考に、昔の姿を忠実に再現しようと手探りで復元作業が進んでいった。建築科長の井原浩二先生は、「何度も現地に赴いて住民とやりとりをするうち、生徒たちは人とつながり、地域に役立っている実感を得ていった」と振り返る。

 以来、水車作りをはじめ、最寄り駅の駅名標を新しくするなど、「地域貢献ものづくり」が課題研究で継続して行われている。「地域からの依頼制作は、成果が認められる喜びを得られる。『より信頼されるものを作りたい』と、生徒たちの意識がどんどん変わっていっている」と井原先生。高校生の力で地域が、地域の力で高校生が、互いに輝きを増している。

(マキ)

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