「特技」を生かした交通安全への協力をたたえ署長感謝状が贈られた西九州大学の荒巻日向子さん=神埼署

 管内で多発する交通事故を減らそうと神埼署が秘策を仕込んでいる。パトカーで巡回放送する音源に高校時代に放送部で九州大会出場の経験がある西九州大学の荒巻日向子さん(21)の声を起用し、聞きやすく整った「耳に残る音」で事故防止をアナウンスしている。秋の交通安全県民運動に合わせ、このほど収録した秋冬版の放送を始めた。

 「こちらは神埼警察署です。早めのライト点灯をお願いします」。9月上旬、秋冬版の収録に臨んだ荒巻さん。アクセントや文節に注意を払い、はきはきとした発音で原稿を読み上げ、「伝えたい気持ちを声に乗せることが大切」と言葉に魂を込めた。何度もテイクを重ね自転車や歩行者向けなど5パターンを録音した。

 県内でも特に事故が多い神埼市と吉野ヶ里町。神埼署はこうした現状を改善するため大学に協力依頼した。荒巻さんは大学の行事で司会を務めたり、卒業式の送辞を読んだりした経験があり、推薦された。5月から荒巻さんが読んだ広報文を、事故が多い朝や夕方の時間帯に流してきた。

 立ち番など街頭啓発に重点を置いた成果もあって、国道での追突事故は減少に転じてきているという。それでも発生件数は多く、日没が早まる10月以降は事故が増加する傾向があるため交通課は「原則ハイビーム走行で周囲にアピールを」とこまめなライトの切り替えを呼び掛ける。

 荒巻さんは「特技を生かすことができた。うれしいような恥ずかしいような気持ち」と苦笑いしながらも「少しでも事故防止に貢献できれば」と話す。同署は警察業務への協力をたたえ署長感謝状を送った。

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