佐賀県内で放課後や夏休みなどに障害のある学齢期の子どもを預かる「放課後等デイサービス」を提供する事業所数は、制度開始から4年余りで3倍以上に急増している。身近な地域で療育が受けられるためニーズは高まるが、一部で障害の特性を理解しないまま受け入れている事業者も指摘されている。県は実地指導を強化するなど支援の質の向上を目指すが十分な実態の把握が課題になっている。

 放課後等デイサービスは12年4月、児童福祉法の一部改正でスタートした。事業所数は12年度、21事業所だったが、16年8月末現在で71事業所に増えた。個別の支援計画を作成する児童発達支援管理責任者と指導員2人で始められるため、他分野の民間企業などの新規参入が目立っている。

 利用児童も増え、12年度末は267人だったが、16年8月現在で952人と約3・6倍に急伸している。利用料は原則1割が保護者、残りは国、県、市町が負担する。公費負担分の給付費は、12年度の約1億5800万円から15年度は約7億9700万円と、初年度の5倍を超えている。

 一方で、児童発達支援管理責任者の実務経験は、障害者ではなく高齢者の介護など別の分野でも認められる。このため、障害の特性を理解しないまま受け入れるケースが全国的に問題化し、昨年12月の県議会では「軽度の子しか受け入れてもらえない」「ゲームをさせたりテレビを見せたりしているだけで、療育とは程遠い」などの事例が指摘された。

 県は児童発達支援管理責任者を専任で配置しないなど人員基準を満たさない事例や、支援の記録を保護者に確認してもらっていないなどの不適切事例を把握し、口頭や文書で指導している。県障害福祉課の五郎川展弘課長は「運営や報酬面の確認が主で、支援実態の十分な把握には至っていない」とチェックが行き届いていない現状を明かす。

 国は15年4月、支援の質の向上や説明責任などを定めたガイドラインを作ったが、県内で活用する事業者は一部にとどまっている。県は、全国的に問題が多いと指摘される営利法人の事業者に関して来年度から、3年に1回の実地指導を2年に短縮し、事前告知をせずに指導に入るなど重点的に対策を講じる。

 五郎川課長は「施設を利用する保護者のニーズは高い。県職員のマンパワーは限られるが、指定時や会議などあらゆる機会でガイドラインの周知を徹底し、支援の質向上に取り組みたい」と話す。

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