内閣官房「明治150年」関連施策推進室の原田淳志室長

■大変革期共通点学んで

 明治改元から150年目となる2018年に向け、内閣官房「明治150年」関連施策推進室は、国の関連施策を取りまとめる。室長を務める原田淳志さん(57)=東京都練馬区=は元総務官僚で、1992年まで3年間、佐賀県庁で課長を務めるなど佐賀との縁は深い。国は150年の節目をどう位置付け、何を目指そうとしているのか。推進室の役割を含めて聞いた。

 事務局を担う推進室は昨年10月に発足し、各省庁から16人が派遣された。

 「『明治150年』といっても歴史観や考え方は人それぞれで、関心もまちまちでしょう。推進室としては、連絡会議での有識者へのヒアリングを経て昨年12月26日、「明治以降の歩みを次世代に残す」「明治の精神を学ぶ」という二つの基本方針を示しました。若者や女性に活躍の場を与え、外国から貪欲に知識を吸収した精神を現代日本に生かし、失われつつある明治の遺産を後世に引き継ぐ狙いがあります。今後はこの方針に沿い、各省庁にそれぞれの施策を考えてもらうことになる」

 組織名に盛り込んだキーワードは「明治維新150年」ではなく「明治150年」。特定の出来事や地域にとどまらず、あの時代の日本を広範に捉え直す意味合いもあるという。

 「明治維新というと『薩長土肥』をイメージしがちですが、実際は日本全体で大きな変化があり、民主主義の根っこができた時代。立憲主義や議会制に加え、技術革新や産業化も始まった。封建制が終わって人物本位の時代になり、身分に関係なく活躍を目指すチャレンジ精神も生まれた」

 この時期からの積み重ねが今につながっていると捉え、当時の精神性を学ぼうとしている。

 「今の時代は人口減少や見通せない経済など多くの難題に直面し、変革が求められている。大きな変化を迫られた明治期と共通する点もあると思います。当時を振り返ることを『復古調だ』という人もいるけれど、今につながるものを学ぶ意義はある」

■はらだ・あつし 1959年、岐阜県生まれ。京都大学法学部卒。83年に自治省(現総務省)に入省し、89年から佐賀県の税務課長や財政課長を務めた。金沢市助役、北海道総務部長などを経て、総務省の市町村税課長時代には「ふるさと納税」の創設に尽力した。大臣官房総務課長、地域力創造審議官なども歴任している。

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