年が明け、九州陶磁文化館の「日本磁器の源流」展、県立美術館の「県陶芸協会展」に足を運んだ。いろんな発見があって、また一つ佐賀への愛着と誇りが生まれた◆佐賀県立文化施設の元日からの開館が始まって12年がたち、根づいた感がある。思ったより来館者が多く、帰省や、正月のゆっくりした時間だからこそ、鑑賞できた人もいたことだろう◆内閣府が昨秋行った文化についての世論調査によれば、この1年間に文化や芸術を直接鑑賞したと答えたのは、59%にとどまった。地域の文化的な環境を充実させるために必要なことを尋ねると、「子どもが文化芸術に親しむ機会の充実」を挙げた人が最も多く40%に◆多感な子ども時代に何を見るか、体験するかはとても大切だ。教科書や映像の中だけではなく、本物に触れておけば、大人になってからも何となく足が向く。その経験が糧となって育まれた豊かな感性は、辛(つら)いことや悲しみなどの困難をクッションのように受け止める柔らかな心の素地となるように思う◆4年前には、県立の六つの文化施設が教育委員会から知事部局に移管された。予算は倍近くになり、より充実した催しがされるようになった。今後も多くの人が楽しめる仕掛けが待ち遠しいが、そこにはスタッフの努力があってこそ、と感謝しつつの正月の鑑賞だった。(章)

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