みなさんはこの名前を読めますか。「皇帝」「波波波」「奏夢」「七音」「光宙」。ちょっと普通にはない珍しい名前を「キラキラネーム」というが、その一例である◆こと変わった名を子につけるのは今に始まらない。小説家の森鴎外は長女・茉莉(まり)、長男・於菟(おと)、次女・杏奴(あんぬ)、次男・不律(ふりつ)、三男・類(るい)と名づけた。軍医としてドイツに留学した鴎外は、現地で交流するのに本名・林太郎に不便を感じたらしい。それで子どもには国際的に通じる名にした◆長男はまさにドイツ名で、鴎外は「この子はドイツに行くとOtto Moriで歓迎されるぞ」と得意げだったそうな。杏奴はフランス名。妻は「呼びにくい」と反対したそうだが、譲らなかった。孫の一人にも真章(まくす)とつけている。鴎外亡き後、遺族は生まれた子の名付けに悩んだという(森於菟著『父親としての森鴎外』)◆明治安田生命保険が発表した今年生まれた赤ちゃんの名前のランキングでは、男の子は「大翔」(ひろと、やまと、はると)、女の子は「葵」(あおい、めい)が最も多かった。大きく羽ばたいたり、植物が成長するイメージを重ね合わせているのだろう。健やかな育ちを願う親の思いは古今同じだ◆ところで、冒頭の名の読みは「しいざあ」「さんば」「りずむ」「どれみ」「ぴかちゅう」。当たりましたか? (章)

このエントリーをはてなブックマークに追加