出会いというのは面白い。先日、旅行した台湾でのガイドは大学で日本語を学び、嬉野市のホテルでインターンシップ(就業体験)をしたことのある20代の男性だった◆佐賀の話題で盛り上がった若者も、台湾の将来の話になると少し慎重になったが、それでも「独立は望んでいないかわりに、中国の統治下に入るのも嫌だ。自由がなくなる」ときっぱり。同じ佐賀の空気を吸っていた気安さから、つい出た本音だろう。中国とは経済で結びついても、民主化の中で「自分は台湾人」と考える人が多く、「現状維持派」は世論調査でも勝る◆旅行中に見た現地新聞は、今月26日投票の香港行政長官選挙が1面トップだった。最近、中国は約束した香港の「高度の自治」に露骨に介入。その中国が不可分の領土だとする台湾の人々が、香港をじっと見つめるのは無理もない◆日本へのまなざしはまた違っている。50年間の日本統治のとらえ方はそれぞれで、「いろんな立場の人がいるから…」とくだんの若者。だが、あすで発生から6年になる東日本大震災では、台湾が巨額の義援金を贈り、日台のつながりが深まったことは記憶に新しい◆九州ぐらいの大きさの島に2300万人が暮らす。強大化する中国に息苦しさを感じる台湾の人々。複雑な歴史と国際環境に揺れる地に関心を深めたいものだ。(章)

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