新潟県庁を訪問し、米山隆一知事(右端)と会談する東京電力ホールディングスの数土文夫会長(左から2人目)ら=5日午前

 新潟県の米山隆一知事は5日、東京電力ホールディングスの数土文夫会長や広瀬直己社長と県庁で初めて会談し、東電の柏崎刈羽原発(同県)について「(福島第1原発事故の原因など)三つの検証がされないと再稼働の議論はできない。検証には数年かかると予想している」と述べ、運転再開に慎重な姿勢を示した。東電は経営再建の柱として早期稼働を目指すが、実現が困難な実態が改めて浮き彫りとなった。

 新潟県は、県が独自に福島事故を検証する「技術委員会」に加え、事故による健康への影響と、柏崎刈羽原発の避難計画を検証する委員会をそれぞれ設置する方針。数土会長は「検証には真摯(しんし)に対応したい」と応じた。

 東電は廃炉や賠償など事故関連費用が総額約22兆円に達する見通しになったため、原発や送配電事業を他社と再編や統合するなどし、抜本的な改革を急ぐ。数土会長は「今までの経営のマインドや体制から脱却して経営改革する」と強調した。

 数土会長は会談後、記者団に「(再稼働は)原発が立地する地元の方々の意向がどんなに厳しくても優先しなくてはいけない。経営者として覚悟しなくてはならない」と述べ、運転停止が長期化する可能性を指摘した。

 一方、米山知事は福島第1原発と柏崎刈羽原発を視察する意向を示し、広瀬社長は会談後「これからも前向きに話し合いを続けられる印象を持った」と語った。【共同】

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