有権者と握手を交わし、支持を訴える候補者=三養基郡上峰町(写真の一部を画像加工しています)

■武広氏・財政再建実績、若さ前面/鶴田氏・町政刷新、防災強化訴え

 12日に投開票される三養基郡上峰町長選は、現職で3選を目指す武広勇平候補(37)=堤=と、新人で元町会計管理者の鶴田直輝候補(66)=坊所=が激戦を展開している。長く2派に分かれて対立する構図に大きな変化はなく、互いに約2千票の基礎票にどれだけ積み上げられるかが鍵。武広候補が商工会青年部、鶴田候補は役場OBが実働部隊となり、新住民や若者票の掘り起こしに力を入れ、追い込みをかけている。

 前回の無投票から一転し、8年ぶりの選挙戦。公職選挙法違反による町長の失職を受けて実施された2009年の出直し選挙では、国会議員秘書だった武広候補が2814票対2539票で元副町長の荒木昌史氏を退けた。

 長年の懸案事項だった財政健全化が進み、今回は年間寄付額が全国上位と好調なふるさと納税の活用策や、選挙前に議会で2度否決された給食費無料化が主要な論点となっている。

 武広候補は財政再建の実績と若さを前面に押し出し、「財政難でできなかった政策を、今こそ実現させるとき」と訴える。道の駅整備と合わせた中心市街地の再開発や給食費無料化、病後児保育施設の整備、高齢者ら交通弱者の移動手段充実などを掲げる。

 選挙前の意見交換会に続き、期間中は選挙カーを要所で止めて熱弁を振るう。9日の総決起集会には300人超が集まり、後援会の今泉昌久会長は「大きく勝たないと今後の町政運営に響く」と支援を呼び掛けた。陣営には議長ら5人の町議が名を連ねる。

 鶴田候補は町政の刷新を掲げ、「ふるさと納税の恩恵が町外に流れている現状を是正する」と声を上げる。東日本大震災被災地での勤務経験から、災害に強いまちづくりを訴え。学校給食費の減免と段階的無料化や小中一貫校の新設、町長給与50%カットなどを打ち出している。

 陣営は役場OBらで組織。出馬表明は1月中旬と遅れたが、告示前まで朝のつじ立ちを重ね、知名度アップに努めた。町内をくまなく回り、夜は11日までに9カ所で、町議3人を応援弁士に迎えて個人演説会を開き、政策の浸透を図る。

 8年前の町長選の投票率は76・58%で、2015年1月の町議選は64・71%。新住民が増えた今回は両陣営とも65%前後とみて、当落ラインは2600票とよむ。6日時点の選挙人名簿登録者数は7740人。人口の7割弱が集中する坊所地区の新興住宅地を中心に回り、両陣営が声をからす。

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