法務委員会で農林水産省の「想定問答」について質問する山下雄平議員=東京・永田町の参議院

 参院の法務、農林水産両委員会で与野党の議員が9日、国営諫早湾干拓事業の開門を巡る訴訟の和解協議に絡み、農林水産省が漁業団体幹部らに組合員を説得するための想定問答を示していた問題を取り上げた。自民の山下雄平参院議員(佐賀選挙区)は事実関係を明らかにしない農水省に対し、「地元で信頼関係を継続するためには、その答弁のラインでは大変厳しい」と指摘した。

 想定問答は、開門しない前提の基金案の成案を望む農水省が昨年11月下旬、佐賀、福岡、熊本の漁業団体幹部との会合で、開門を求める組合員を説得する目的で提示したとみられる。

 法務委員会で山下氏は想定問答を示した事実関係の有無をただしたが、農水省の担当者は「漁業団体と信頼関係に基づいてやってきた。交渉に関わる内容は今後に支障を及ぼす恐れがあり、事実関係も含めて回答を控えさせていただく」と繰り返した。

 農水委員会では共産の紙智子議員(比例)も事実関係を尋ねたが、山本有二農相も「回答を控える」との答弁に終始した。紙氏は「この混乱をつくり出した当事者としての自覚も責任もない発言に驚く。想定問答を作っていた行為は極めて重大だ」と批判した。

 また、漁業者らでつくる市民団体「有明海漁民・市民ネットワーク」は同日、想定問答に関して説明を求める質問状を山本農相宛てに提出したことを明らかにした。一方、福岡高裁に対し、次回期日から開門を含めた実質的な和解協議を始めるよう要請書を出した。

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