Q.お隣さんの子どもが、ずっと汚れた同じ服を着て、お風呂にも入らせてもらえず、いつも親御さんにひどい言葉でしかられているみたい。でもそれは家庭の「しつけ」の問題として、黙って見ている方がいいのでしょうか。

 A.虐待という言葉を辞書で調べると「むごい扱いをすること」とあります。一方で、児童虐待防止法では、身体的虐待、心理的虐待、ネグレクト(監護を怠ること)、性的虐待の4種類が定義されています。では、具体的にどんな場面がこれらの虐待に当たるのでしょうか。

 例えば、厳冬期に屋外に閉め出す(身体的虐待)、乳児を泣きやまそうと体を過度に揺らす(身体的虐待)、「あんたはうちの子だっけ」「兄と違って無能」といった暴言を浴びせる(心理的虐待)、トイレを失敗したら着替えさせない、下着をはかせない(ネグレクト及び性的虐待)、必要な輸血や手術を受けさせない(医療ネグレクト)などが考えられます。

 特に身体的虐待や心理的虐待の例では「しつけ」と考えられていた事が含まれており、黙っている方がいいと思う方もいらっしゃるでしょう。「しつけ」と虐待の線引きは、親の主観や子どもがそれを受け入れているかどうかで決まるものではなく、客観的に見て子どもの心身を傷つけてしまうか否かで判断されることになります。 また、虐待(疑いを含む)に気付いた人には通告義務があります。通告を受けた公的機関は調査し、適切に対応します。通告者の秘密は守られます。

 児童虐待は社会全体で発見・予防することが期待されています。それは事件に発展することを防ぐのはもちろん、子どもの幸せを守る環境づくりにつながります。ご質問のような状況を見たときは、最寄りの公的機関か、児童相談所全国共通ダイヤル(189)に電話し、児童の安全を守る一助となっていただければと思います。(弁護士・下津浦公 佐賀市)

佐賀県弁護士会・電話無料法律相談 電話0952(24)3411

毎週火曜17時半~19時半、土曜13~15時半

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