虐待を受けた疑いがあるとして、全国の警察が昨年1年間に児童相談所(児相)に通告した18歳未満の子どもは初めて5万人を突破し、5万4227人(前年比46・5%増)だったことが9日、警察庁のまとめで分かった。統計を取り始めた2004年の962人から12年連続の増加。生命の危険があるなどとして、警察が保護した子どもも過去最多の3521人(34・2%増)に上った。

 警察庁の担当者は「虐待への市民の意識の高まりが背景にある。警察も110番や匿名通報への的確な対応に努めている」と説明している。

 通告には至っていないが、昨年1年間に警察が児相に情報提供した件数は1万6141件で、前年の4倍以上だった。

 虐待の内容は、暴言などの心理的虐待が3万7183人(53・9%増)で全体の3分の2を超えた。このうち約7割は、保護者が子どもの前で配偶者に暴力を振るうなどの面前ドメスティックバイオレンス(DV)で、2万4998人(48・7%増)だった。

 暴行などの身体的虐待は1万1165人(35・2%増)で、育児放棄(ネグレクト)などの怠慢・拒否は5628人(27・0%増)。

 摘発件数は1081件(31・5%増)で、約8割となる866件(27・5%増)が身体的虐待だった。摘発人数は1113人(31・1%増)で、いずれも過去最多。

 被害者もこれまでで最も多い1108人(29・9%増)で、このうち67人が死亡した。内訳は無理心中を含む殺人が51人、保護責任者遺棄致死8人、傷害致死6人など。被害者との関係は、実父が最多の465人、次いで実母301人。性的虐待に限れば養父・継父が最も多い67人だった。【共同】

 佐賀県警が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは前年に比べ43人増の72人で過去最多になった。内訳は心理的虐待が31人、暴力などの身体的虐待が26人、育児放棄(ネグレクト)12人、性的虐待3人。事件化したケースは4件だった。

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