小寒が過ぎ、寒さの本番を迎えた。きょうは七日正月。この日に七草粥(ななくさがゆ)を食べて、邪気を払い、万病を除くという中国の風習が伝わる。平安時代の初めごろから宮廷で行われていたという◆セリ、ナズナ(ペンペングサ)、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)。今では手に入りにくいものもあるが、パック詰めされた七草はスーパーにも並び、家庭の食卓にも上る◆佐賀市富士町では3戸の農家が栽培し、今年も34万パックを出荷した。1980年代からの町の特産品だ。町内の小中学校5校は、郷土愛を育む取り組みで今年は、給食が始まる11日に「七草スープ」を出す。パンの日なので、粥や雑煮ではなくスープという◆七草を入れて、ジャガイモやニンジン、タマネギ、ホウレンソウなども加えた具だくさんの料理となる。味付けは、しょうゆと鶏の出汁(だし)。校内放送で七草のいわれと、県内に出回る七草のほとんどは、この町で栽培されることを学べるのが大切なところ◆もともと中国から伝わったのは粥ではなく、片栗粉でとろみをつけたスープだったそうだ。それが江戸期に庶民が粥にした(山口謠司(ようじ)著『にほんご歳時記』)。そんなことも知れば、一段と味も引き立つ。青菜と湯気がふるさとの思い出深い一ページとなるだろう。(章)

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