佐賀県は、犯罪に巻き込まれた被害者とその家族を支援する条例を制定する方針を決めた。生活支援や住居の提供、雇用の安定など推進施策を明確にするとともに、住民に身近な市や町との連携を強めて被害者に寄り添ったサポートを目指す。犯罪被害者支援に特化した県条例を設けるのは九州では初めてで、2月定例県議会で提案する。

 条例案には、被害者が平穏な生活を取り戻すまで途切れない支援を講じることを明記。相談対応や情報提供をはじめ、心身の状況に応じて保健医療や福祉のサービスを提供したり、支援を担う人材育成に取り組んだりする施策も挙げる。

 ニーズをくんだ実効性のある支援につなげるため、運用指針を策定することも盛り込んだ。先行する自治体では、生活資金貸与などの制度を設けている県もあり、条例制定後に経済的な支援の可否も含めて指針の内容を検討する。市や町に加え、関係機関との連携体制の整備も打ち出す。

 犯罪被害者支援を巡っては、県内では昨年4月施行の嬉野市を皮切りに1市6町で条例が制定された。

 民間団体の被害者支援ネットワーク佐賀VOISS(ボイス)は「被害者がどの市や町に住んでいても同じ支援を受けられるように」と、県に条例制定を要望していた。県は防犯関連条例に支援に関する規定を設けていたが、県内自治体の動きに合わせ、特化した条例の制定に着手した。

 未整備の市や町でも、制定に向けた検討が進められている。県くらしの安全安心課は「条例を通して被害者支援への理解促進も期待できる。被害者の意見を反映させ、県全体で支援に取り組んでいけるようにしたい」と話す。県は条例案へのパブリックコメント(意見公募)を17日まで実施している。

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