近隣のディスカウント店と激戦を繰り広げている高松市の「ダイレックス西春日店」

 消費者の節約志向を背景に安売りの激戦区が拡大している。台風の目になっているのは、積極的な出店を続けるディスカウント店だ。毎日1円でも安い価格を実現する背景には、業務を徹底的に効率化する取り組みがある。

 高松市の名勝、栗林公園の近くに昨年8月、サンドラッグ傘下のダイレックス(佐賀市)が開店したディスカウント店。近隣でコスモス薬品(福岡市)が運営するディスカウントのドラッグストアにはない生鮮品や総菜もそろえ、この年末年始もにぎわった。

 コスモスも黙っておらず、売り場の改装などで対抗。70代の主婦は「冷凍食品や飲料はコスモスがより安く感じる」とうまく使い分けたという。

 両社は物価が相対的に低いとされ、有力なディスカウント店がひしめく九州で事業基盤を確立。「インクがしみ出すように東へ出店している」(関係者)といい、四国で激突した格好だ。国内店舗数はダイレックスが220を超え、コスモスは約770に上る。

 「『安かろう、悪かろう』では顧客は付いてこない」。首都圏でディスカウント店を展開するダイエー傘下のビッグ・エー(東京)の三浦弘社長によると、業界各社は、賞味期限が近いといった「訳あり品」ではなく、人気商品や必需品を常に安くすることにこだわる。

 経費を削減し、それを原資に値下げするのが王道だ。奥行きのある棚を使って商品の補充回数を減らしたり、年間契約で農家から野菜を仕入れたりと、無駄を省く知恵を絞っているという。

 競争が激化している九州では、流通大手のイオンが昨年11月に改装した総合スーパーのイオン江北店(杵島郡江北町)に、グループのディスカウント店を導入した。コスモスは西日本をカバーし、現在は中部での店舗展開を進めている。ディスカウント旋風は衰えそうにない。【共同】

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