♪あの野に立つ青々とした松の葉を見よ 顧みる人は誰もいなくとも 雨風にさらされ吹雪に打たれても いつまでもずっと青いのだ 1970、80年代に韓国の民主化運動を象徴する抵抗歌「常緑樹」である◆正しいものは勝つ、どんなにつらくても、常に青々とした生命力で正しい道を進もう-。そんな意味のこの歌を愛唱したのが2003年、大統領に就任した盧武鉉(ノムヒョン)氏。この政権は国民が政治に参与(参加)することを目指した。ネットを通じ国民に直接語りかける。相手が誰であれ、正しいことは通じるはずだ-。これが若い世代の信念でもあった(小倉紀蔵著『心で知る、韓国』)◆その盧氏の最側近だった文在寅(ムンジェイン)氏が大統領の椅子を手にした。朴槿恵(パククネ)前大統領に失望した若者たちを核にした力が、市民革命のように朴氏を引きずり降ろし、「正しいものは勝つ」と信じて文氏を舞台へと押し上げたのである◆文氏はリベラル路線を敷いた盧氏と同じく北朝鮮に融和的。南北対話を説いてきたが、波高い今、容易な道ではなかろう。慰安婦問題では日韓合意に手厳しく、日本との連携に影を落とす◆理想家肌の盧氏は市民参加の政治を展開したものの、やがて挫折していった。対立と分断を強める韓国。期待を背に、新大統領は雨風や吹雪に耐えて「正しい道」を進めるだろうか。(章)

このエントリーをはてなブックマークに追加