東日本大震災発生時刻の午後2時46分に合わせ、黙とうするフォーラムの参加者=佐賀市のエコプラザ

震災や原発事故での避難の状況や現在の生活を語る石井絹江さん=佐賀市のアバンセ

■共助の大切さ確認

 東日本大震災から6年となった11日、震災の教訓を次世代につなぎ、地域づくりに生かしていこうと、住民グループによるフォーラムや上映会などが佐賀県内でも開かれた。苦難を乗り越えようと支え合っている被災地の人たちに思いを重ね、共助の大切さを確認し合った。

 「人とのつながりや地域の関係性が大切だと痛感する」-。佐賀市のエコプラザであった大規模災害への備えを考えるフォーラム。家庭の不用品を販売した益金を被災地に届けたNPO法人さが環境推進センター(佐賀市)の甲本洋子さんは、役員を務めている佐賀市内の自治会で、炊き出しや情報収集など災害時の役割分担を決めていることを紹介した。

 自営業を営みながら、被災地でボランティア活動を行ってきた武雄市の吉田秀俊さんは「どれだけ大きな災害でも、よその地域なら人ごとだと感じてしまうもの。生きるために必要な水だけは家に備蓄して」と呼び掛けた。

 聴講した宮城県石巻市出身の主婦小野富紀子さん(52)=神埼市=はマイクを握り、「故郷を離れて何もできない悔しさがあったが、人とのつながりがあれば変えられると感じた。いつ、どこで起きるか分からない災害時に、手を差し伸べられる存在でありたい」と話した。

 佐賀市のアバンセでは、地震や津波と福島第1原発事故による福島県の様子を描いたアニメーション映画「浪江町消防団物語『無念』」が上映された。原発事故の避難のため救助活動が中断され、助けられた命を救えなかった消防団員の苦悩を伝えた。

 映画の声の出演者で、被災者でもある元町職員の石井絹江さんが招かれ、「6年がたち、住民は思い出すのが苦しくて震災を語りたがらないのが現状。アニメを通して後世に伝えたい」と説明。震災直後、原発事故の詳細が分からずに避難が混乱した実情も示し、「高い線量の地域への避難も行われ、情報がきちんと伝わらなかったのが悔やまれる」などと振り返った。

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