終末期医療に関する各自治体の住民向け啓発パンフレット

■意思表示、話し合い後押し

 超高齢化で「多死社会」を迎えつつある中、終末期医療について話し合ったり意思表示したりする機会を持ってもらおうと、厚生労働省は延命治療の種類や療養場所などの情報を盛り込んだ市民向け啓発パンフレットのひな型を作成する。

 国が終末期医療に関する啓発資料を作るのは初めて。早ければ今夏に有識者検討会を立ち上げ、内容を議論する。来年春に完成させ、全国の自治体に提供。地域の事情に合わせて情報を加えるなどして、住民に配布してもらう考えだ。

 「自然に逝きたい」と希望する人は増えているが、意思表示や家族との話し合いをしていなかったために延命治療がなされ、周囲が後悔するといったケースが相次いでいる。2015年に約129万人だった年間死者数は、40年には約168万人まで増える見通しだが、終末期の話題を避ける雰囲気は依然強いため、考えるきっかけを提供するのが狙い。

 ただ、生死の問題に国が介入すると「医療費削減が目的だ」といった批判を招きかねないため、一定の方向に誘導していると受け取られないよう、中立的な内容にする方針だ。

 啓発資料では、口からチューブを入れる気管挿管による人工呼吸器の使用や、胃に直接栄養を送り込む胃ろうなどの処置について説明し、医師や家族らとの話し合いや意思表示を促す。既に同様の啓発パンフレットを自前で作り、配布している自治体もあるため、参考にする。【共同】

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